なぜ、リートは自己資金をほとんど使わないのか?
リートってご存知ですか?
不動産投資に興味のある人なら一度は耳にしたことがある言葉だと思います。
不動産を小口に分けて投資信託として投資できるようにした商品ですよね。
で、このリートなのですが、どういった物件を投資対象としているか知っていますか?
実は、リートは都心の一等地を中心として利回り5%前後の物件を主なターゲットとして購入しています。
そして、前回出てきた新築区分マンションは大抵が利回り5%前後となっています。
わたしは最低でも利回り10%はないと投資対象としていないのですが、なぜリートは利回り5%でも利益を出して、かつ投資家に配当を出せるのでしょうか?
不思議に思ったことはありませんか?あんなに大型の物件ばかり取得しているからでしょうか?
実は違うんです。
なぜ、リートが利回り5%でも十分な利益を出せているのかというと、
・自己資金がほとんど必要ない
・投資家たちの資金で回している
・借入金利が異常に低い
・銀行借入が元本据え置き型で、かつ期日一括返済
この4点があるため、同じ利回り5%でも十分な利益を出せているのです。
リートは投資金額の半分を投資家たちの資金で回しています。
そして、残りの半分を銀行からの借入でまかなっています。
この投資家たちから受け入れる資金と銀行借入の比率は各リートによって微妙に差がありますが、大まかに説明するとこのようになっています。
つまり、自己資金をほとんど使わずに物件を取得しているのです。
そして、銀行借入も投資金額の半分で済んでいるので、支払利息の負担が大幅に軽減されています。
しかも、金利が低いため、支払利息でいえば、わたしたち個人投資家と比べると約6分の1~7分の1の負担しかありません。
これはリートの損益計算書を見ればすぐにわかります。
加えて、リートは社債を発行していることもあり、その場合は金利負担がさらに軽減されます。
そして、銀行借入が元金据え置き型の期日一括返済ということなので、期日が来るまで(通常は3~5年)は金利だけを支払っていれば済むということになります。
期日が到来すれば、物件を売って返済し、また新たな物件を取得して借り直すのです。
しかも、リートは法人税が無税という特典があるのです。
実はリートは利益の90%以上を分配金に回すことにより、法人税が非課税となる法律があるのです。
こういうことを繰り返しながらリートは利益を生み出していきます。
わたしたち個人投資家とは、投資の土俵自体が違っているのがわかりますね。
新築区分マンションの利回りがマイナススタートの理由
一方、新築区分マンションを買う場合ですが、大抵の場合、利回りがマイナスからスタートすることになります。
通常ですと、毎月5000円~10000円くらいの手出しをして損失を埋めていくことになり、年間6万円~12万円のマイナスキャッシュフローとなります。
なぜ、マイナスキャッシュフローになるかというと、収益力が低いため銀行の返済分が家賃を上回っているのが主な原因です。それに加えて、建物管理費、固定資産税が加わり、さらにマイナスが大きくなることもあるでしょう。
新築区分マンションは、そもそも物件価格が高すぎて、その高すぎる物件価格を家賃でカバーできていないのです。
どうせ不動産を買うならプラスのキャッシュフローが出る物件を買わなければ意味がないと思うのはわたしだけでしょうか・・・新築区分マンションを売却しようとしても、通常は損切処分、運が良くて売却価格と合わせて収支トントンがいいところでしょう。
ですので、以上のようにリートが利益を出せているからといって、個人投資家が同じような利回りで物件を買っていくと最後にはひどい結末が待っていることになるので、絶対に真似をしてはいけませんね。
会計事務所ロイズ会計 代表
成功する大家さん塾 主宰
税理士大家さん