今回は、土地活用を成功に導くための「リノベーション」のおトクなやり方等について解説します。※本連載では、賃貸経営を中心に資産を形成していくための実践的な考え方やノウハウを、自らも家賃収入7億円のオーナーでもある、アサヒグローバル株式会社、ゴールドトラスト株式会社、ゴールドエイジ株式会社取締役会長・久保川議道氏が解説します。

土地活用の賃貸経営で失敗する地主の見本とは?

今回はシリーズ№35です。相変わらず『賃貸経営』の『初級コース』の人(節税1億円・賃貸戸数100戸・経験10年・総資産5億円の地主)と『中級コース』の人(節税5億円・賃貸戸数300戸・経験20年・総資産20億円の地主)に分けて耳の痛いお話をさせていただきます。

 

では初級の№35は、№34の『空室が心配』に続きまして№35『リノベにお金を使わない』についてお話しします。

 

なんで初級の地主さんは、お部屋の修繕やリフォームやリノベーションにお金を使わないのでしょうか。私には全く理解できませんね。自分の大切なアパート・マンションをいつまでも美しく、最新の設備で、入居者が快適に、喜んで住んでいただくためにどうして毎年毎年お金を使わないのでしょうか。自分の大切な財産は、もうどうでもいいのでしょうかね・・・。不思議です。

 

全く私には分かりません。なんでそんないい加減な賃貸経営をしているのでしょうか・・・(?)その理由は①本当はやりたくないのに、節税のためにやった地主②ハウスメーカーや大手アパート会社が一括借り上げをしているので空室に興味がない地主(3年・10年で借り上げが終わると空室があるので必ず家賃が下がるのに・・・)。③入居者がお客様だと思わない地主④税金計算も、お金の計算もできない地主⑤ただお金を使いたくない、ケチな地主。⑥そもそも事業の経営も分からず、なりゆきで土地活用をした地主。⑦そして賃貸の経営に努力せず、興味もなく人任せで無責任な地主・・・。その他色々です。要するに近い将来、必ず土地活用の賃貸経営で失敗する地主の見本がこの①~⑦でしょうか。残念なことですね。

 

しかし分からない人には100回言っても分からないので、何も実行していただけません。私もこの30年間で3,000人の地主さんとお会いして相談に乗りましたが、分からない地主さんにはもう一言も申し上げることはありませんね。それは淋しくて空しい30年間でした。しかし私の話を聞いていただけた『400人の地主さん』は、皆さんが全員成功されているのでもうそれでいいでしょう。それで満足するしかありませんね(残念ですが・・・)。

 

さて『中級』の№35は№34の『空室がチャンス』に続きまして№35『税金でリノベする』についてお話しします。初級の地主さんと違って、中級の地主さんは良くご商売が分かる人たちです。そして税金の計算もよくできますから、『税金を払うお金でリノベーションしている』地主さん達ですね。

 

これは初級の地主さんには全く分からないことですが、アパマン経営は当然に節税でやることですが、16年目になると全く儲かりませんね。それは15年間で設備の減価償却が終了しますから、経費が無くなって税金支払いが多額になってしまいます。ですから、その税金を払うくらいなら自分の大切な建物に再投資すればいいのです。リノベーションは税金を払うお金でやればいいというのが私のやり方です。

 

私は新築で建てた建物の50年先までの全ての税金計算の表をお渡ししていますが、ほとんどのハウスメーカーさんや大手アパート会社さんは税金の表は出しません。出してしまうとアパート経営は税金支払いでいかに儲からないかが分かってしまうからですね。まあ、しかしそれでは地主さんがいつまでたっても税金支払いの計算が分からないのは仕方のないことですね。

 

しかしそれは全て自己責任ですから、自分でやるしかありません。中級の地主さんはできます。何回も何回も計算して、今年はいくらの節税が必要か。リノベが必要かをご検討ください。

 

「コンクリート建築」が一番よいといえる理由

さて今回はシリーズ最終の№36です。相変わらず『賃貸経営』の『初級コース』の人(節税1億円・賃貸戸数100戸・経験10年・総資産5億円の地主)と『中級コース』の人(節税5億円・賃貸戸数300戸・経験20年・総資産20億円の地主)に分けて耳の痛いお話をさせていただきます。

 

では初級の№36は、№35の『リノベにお金を使わない』に続きまして№36『償却逆算価格』についてお話しします。

 

なんで初級の地主さんは建物の償却年数から逆算して建築費を計算しないのでしょう。それぐらいの計算ができないようでは賃貸経営は大失敗というか退学ですね。

 

それはどういう意味ですか・・・(?)と声が聞こえてきますのでお答えしますと、建物にはその建物の構造の種類によって耐用年数が違うのです。そこから国は建物の『減価償却年数』を決めています。①軽量鉄骨プレハブ(3m/m以下)19年②木造22年③中量鉄骨(4m/m以下)27年④重量鉄骨(4m/m以上)34年⑤鉄筋コンクリート47年。素人にも分かるように言うと、これらの構造の違いで賃貸住宅はこの年数しか使えませんよ、と国が決めているのです。

 

だから同じ坪50万円で建てた200坪の建物が『1億円』だとして、①〜⑤の償却年数で割ってみてください。すると①は1億円割る19年で『526万円』(1年相当分の建築費用)②は『454万円』③は『370万円』④は『294万円』⑤のコンクリートは『212万円』ですね。①のプレハブと⑤のコンクリートは2.5倍の価格差ですから、建物の耐用年数から考えればコンクリートが2.5倍の建物の価値があるということです。だから価格が同じならコンクリート建築が一番いいということだとまずご理解ください。

 

次にしかしコンクリートは建築費が高いと一般的に言われていますから建てられない・・・。と考えているから初級の地主さんは困ったものです。プレハブや鉄骨のアパートが『坪60万円』ぐらいですが、私の建てるデザイナーズのコンクリートマンションは『坪40万円』で建つのです。建築価格が3分の2で耐用年数が2.5倍ですから、建物の価値は3.8倍(2.5倍÷66%=3.8倍)ですね。そもそもこんな基本的なことをちゃんと計算して、どっちが得かを知るべきですね。中級の地主さん達は全て分かっています。その証拠は、中級の地主さんはプレハブや鉄骨では建てていませんね。

 

さて『中級』の№36は№35の『税金でリノベする』に続きまして№36『土地建物の6つの価格』についてお話しします。中級の地主さんはこの土地建物の『6つの価格』を全て分かってから賃貸の不動産投資をしないと失敗します。よく理解して損か得かを判断する基準にしてください。

 

公示価格(100%)路線価(80%)固定資産税価格(70%)簿価(償却後の残存価格)収益還元価格(利回り10%で1億円の収入なら10億円の価値がある)実際の売買価格(売り主と買い主の都合で決まる)

 

①〜⑥を十分に検討すれば投資で失敗することはありませんね。中級の地主さんは今でも十分に成功していますからこの①〜⑥はすぐに分かります。まず⑤の収益性を見ましょう。良すぎても危ないですね。次に相手の④の簿価が分かれば交渉が有利です。あとまあ土地購入なら③の固税価格で買えれば大成功です。②の路線価で買えれば成功ですね。中級の地主さんは不動産のプロでないとやってゆけませんから十分ご注意ください。

 

全18回お読みいただきましてありがとうございました。また次回からのシリーズにご期待ください。

 

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本連載は、久保川議道氏のブログ『会長のひとりごと』から転載したものです。
ブログはこちらから⇒http://kubokawayoshimichi.com/index.html

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