今回は、土地活用を成功に導くための「空室」対策等について解説します。※本連載では、賃貸経営を中心に資産を形成していくための実践的な考え方やノウハウを、自らも家賃収入7億円のオーナーでもある、アサヒグローバル株式会社、ゴールドトラスト株式会社、ゴールドエイジ株式会社取締役会長・久保川議道氏が解説します。

「2033年の空室率は42%」になるという現実

今回はシリーズ№33です。相変わらず『賃貸経営』の『初級コース』の人(節税1億円・賃貸戸数100戸・経験10年・総資産5億円の地主)と『中級コース』の人(節税5億円・賃貸戸数300戸・経験20年・総資産20億円の地主)に分けて耳の痛いお話しをさせていただきます。

 

では初級の№33は、№32の『給与収入』に続きまして№33『老後の年金』についてお話しします。

 

まあ初級の地主さんは、賃貸経営の収益は生活費で使ってしまうか『老後の年金』代わりなんですね。土地があったからアパートを建てたという地主さんは、そもそも節税と現金収入が欲しいのであって、子供達のために代々の資産を残そうという気持ちは全くありません。残念なことです。

 

財産も残ればいいなあ・・・とボーと考えている地主さんには財産は残せませんね。日本の税金や事業の経営はそんなに甘くないのです。だから初級の地主さんは20人中19人がアパート経営で失敗しています。そして日本中が家賃の減額と空室だらけになってしまいました。

 

そもそもハウスメーカーや大手アパート会社の営業マンにだまされて、高い建築費を払って安物のアパートを建てて、一括借上げ契約の嘘に安心しているのですから、私には初級の地主さんのお考えが全く理解できませんね。しかしまあ生活費の足しにしたり、老後の年金ぐらいになればいいのでしょうか・・・。

 

しかしこれからあと8年後の2025年には日本の平均空室率は30%になるのです。(今は20%)2033年には42%になると野村総研さんが発表していますから、甘い考えで賃貸を経営していますと『老後の年金』どころか『借金の返済』もできなくなります。初級の地主さんが失敗することは仕方のないことですが、できれば失敗を体験して成功に結びつけていただきたいものです。それができなければ中級コースには入れませんね。

 

さて『中級』の№33は№32の『所得通算』に続きまして№33『家業の財産』についてお話しします。中級の地主さんは初級の地主さん達の失敗を乗り越えて『家業の財産』を作る人達です。将来の42%空室時代でも私の『築年数別賃貸経営』のノウハウを使って満室経営をされることは間違いありませんね。それは心配していませんが、しかし代々の財産を増やすことは簡単ではありません。

 

やはり一番難しいのは日本の世界一厳しい『相続税』との戦いでしょうか。これに負けてしまうと半分の財産しか残せませんね。半分税金でとられると、これでは何のために一生懸命勉強して賃貸経営をしたのか意味がありません。

 

その対策は①まあ土地建物の固定資産税額と同等額の借入金があれば相続税はゼロですね。自分の財産と同等額の借金は必要だということです。無借金の財産家も、お亡くなり近くになれば財産と同等額の借金が必要になります。日本では仕方のないことです。

 

②家業の賃貸経営は会社経営にすべきです。私は今3つ目の個人の会社を作る準備をしていますが、法人税なら32%(地方税含む)がもうすぐ20%代になりますね。個人の所得税は55%で社会保険も税金ですから合計65%の税率です。やはり会社経営で家業としての賃貸経営はやるべきですね。

 

③会社にしておいて株式で相続するのが一番いい方法です。会社の利益を減価償却や借入金でコントロールして、株価を上げない対策をしておけば相続税を個人で払うよりずっと少なくできます。中級の地主さんは賃貸で収益を上げて毎年無税にするノウハウはご存知ですが、そろそろ相続税についてもお勉強願います。そうしないと家業としての財産を引き続くことはできませんね。

 

どうすれば退去3ヶ月以内に新しい入居者が入るか?

引き続きましてシリーズ№34です。相変わらず『賃貸経営』の『初級コース』の人(節税1億円・賃貸戸数100戸・経験10年・総資産5億円の地主)と『中級コース』の人(節税5億円・賃貸戸数300戸・経験20年・総資産20億円の地主)に分けて耳の痛いお話をさせていただきます。

 

では初級の№34は、№33の『老後の年金』に続きまして№34『空室が心配』についてお話しします。

 

どうして初級の地主さんは『空室が心配』なのでしょう。そもそも賃貸住宅は平均的に4年に1回の転居があるのが当り前。だから空室があって当然なのです。私の様な上級者は空室が出ると嬉しくて嬉しくて手をたたいて喜んでいるのです。分かりますかね・・・(改装できるから)。

 

しかし初級の地主さんは空室が嫌いですね。空室が出ると管理会社に文句を言ったり、建てたアパート会社にクレームを出すのです。それは本末転倒ですし間違いなんだということをご理解ください。入居者は転勤や学校区や家族構成の変化で転居するのですから、それを止めることはできません。ですから空室は仕方ないのです。

 

一番大切で重要なことは、空室になった部屋に新しい入居者が『3ヶ月以内』に入ってくれれば問題はありませんね。6ヶ月も1年も空室になるのなら地主さんの賃貸経営は大失敗だということです。空室は管理会社やアパート会社の責任ではありませんから文句を言ってはいけません。

 

さてどうすれば3ヶ月以内に入居者が入りますかね・・・(?)①正しい家賃設定をする②設備を今の最新のものにする③部屋のインテリアを今風にする④外観を美しくする⑤駐車場を整備する⑥防犯セキュリティ対策をする・・・等々。やることがたくさんあればやればいいのです。お金がかかりますし、やりたくなくてもやるしかありませんね。そもそも4ヶ月以上の空室のあるアパート・マンションを建てたのはあなたの責任ですから、人に文句を言わずに自分でやるしか方法はありません。

 

初級の地主さんはこんなことも分からない人が多いんですね。だから素人で初級の地主と言われてしまいます。厳しい言い方ですがここの苦しみを乗り越えていただくしか方法はありませんね。

 

さて『中級』の№34は№33の『家業の財産』に続きまして№34『空室がチャンス』についてお話しします。初級の地主さんと違って、中級の地主さんは『空室がチャンス』と考えてリノベーションを実行しているのです。空室が出なければ部屋の改装はやりたくてもできません。だから空室があれば改装のチャンスなのです。

 

最新の設備にして、インテリアを良くして、WiFiをつけたり、セキュリティの防犯カメラをつけたり・・・。いくらでもお金をかけて入居者が喜ぶ賃貸にしますから、3ヶ月以内に満室となってしまいますね。賃貸経営で成功している地主さんは現金もたくさんありますから、リノベーションにお金をどんどん使います。使ってもまたお家賃ですぐにお金は戻ってくることを知っています。

 

そして中級の地主さんは税金計算も得意ですから、税金を払う分のお金で改装しますから本人のふところは痛みませんね。極端な話をしますと、税金を払うぐらいならその分家賃を下げてあげれば入居者は大喜びでしょう。入居者の立場になって考えれば、お家賃が下がるのが一番嬉しいのです。

 

はい、初級と中級の地主さんの考え方とやり方はこんなにも違うんだということをご理解願います。そして上級者としての私の考え方とやり方は中級の地主さんとはまた全然違うんですね。しかしそれはここでは申し上げません。セミナーへご参加ください。

 

本連載は、久保川議道氏のブログ『会長のひとりごと』から転載したものです。
ブログはこちらから⇒http://kubokawayoshimichi.com/index.html

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