2017年から2018年頭にかけて仮想通貨で“億り人”の仲間入りを果たした投資家が続出した。なかでも界隈を盛り上げた投資家として知られるのが、「ゲス仮想通貨投資家」を名乗るニシノカズ氏。あっという間に億を超える資産を手に入れた氏は、昨年10月にマレーシアへ移り住んだ。国際税務のスペシャリストである柳澤賢仁氏による仮想通貨対談企画第2弾「ニシノカズ」編・第3回目のテーマは、「日本の非居住者と認定されるには?」。

最終手段として国籍を変える富裕層もいる?

柳澤 さっき話たとおりで日本の税法の条文があいまいなんです。「1年以上居所を有する個人」も居住者認定されてしまうので。1年以上の居所ってなんだ?って議論があるんですけど、突き詰めると継続して1年以上同じところに帰ってきていると住所とみなすという話になると思います。

 

相続税法の話になりますけど、かつての消費者金融大手・武富士の創業者の長男の方が生前贈与を受けていたとして海外資産に1,330億円課税されたという騒動がありました。この長男の方は香港に年間240日くらい居住していたんですけど、日本に帰ってきたときは実家の自室に帰っていました。それで、「1年以上の居所」と認定されてしまったんです。最終的には最高裁まで争って、2011年に長男の方が課税取り消しの判決を勝ち取りましたけど、海外に240日滞在していても日本の居住者として認定されかねないことは大きな話題になりました。

 

ニシ 課税される場合は、罰金みたいなものが発生するんですか?

 

「最大税率40%の重加算税が請求されることもあります」(柳澤)
「最大40%の重加算税が請求されることもあります」(柳澤)

柳澤 延滞税や加算税が発生しますね。日本に居住がある実態を隠して申告を行わなかったとみなされた場合には、最大40%の重加算税が課されることもあります。一番怖いのは、5年後ぐらいに悪質だと認定されて、5年分の重加算税が請求されるパターンですね。相当強烈です……。あいまいな法律であとから処分を受けたくなければ、日本の居住実体をとことん消しておいたほうがいいですよね。日本の仮想通貨取引所や銀行口座も「非居住者口座」に移したほうがいい。ただ、ネットバンキングが使えないなど、かなり使い勝手が悪くなりますが。

 

ニシ なるほど。僕のところにもビットフライヤーから非居住者の案内が届きました。非居住者に移行するなら、マレーシアの日本総領事館で現地の住所証明を発行してもらうようにと。早速、発行してもらってビットフライヤーに送付しました。

 

柳澤 みなさん、面倒くさがってやりたがらないんですけど、理不尽な課税を受けたくなければ非常に大事です。かなりの富裕層になると、相続税対策で国籍を変える方もいらっしゃるんです。

 

 

 

ニシノカズ

ゲス仮想通貨投資家

地元・名古屋でホストを経験し、その後キャバクラを買収して経営者に。その時に稼いだ資金を元手に、海外を放浪。なかでもマレーシアには半年以上滞在。2017年1月に仮想通貨を知り、元手0円(クレジットカード決済で10万円入金)から投資をスタート。同時に「ニシカズのゲス戦略日記」というブログを開設して、日々のトレード成績を公開。ビットコインバブルに乗っかって、2017年11月には資産1億円超えを達成。10月にはマレーシアへ移住。2018年2月には9億円まで膨れ上がるが、バブル崩壊に伴い、資産は半減。現在は、世界を放浪しながらツイッターやYouTubeで情報を発信中

 

柳澤賢仁

柳澤国際税務会計事務所代表/柳澤総合研究所代表/税理士

慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程修了後、アーサーアンダーセン税務事務所、KPMG税理士法人を経て2004年に独立。独立後に支援したスタートアップのなかからすでに2社がIPO。起業家の海外支援やビジネスモデル構築、ベンチャーファイナンス、M&A、海外税務のアドバイザリー業務など幅広く手掛ける。主な著書に『お金持ち入門』(共著)、『資金繰らない経営』などがある

 

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