「相場の先行きを当てたい」と安易に線を引いてはNG
【ルール 12】
6~12カ月(またはそれ以上でも)の上げ下げが90度前後のとき、その下げトレンドを上抜く陽線は上げの第一歩
言葉だけ読むと、よくわからない。これも、図で説明していくことにしよう(図表1)。
[図表1]下げトレンドを上抜く陽線
これまでに、W型、M型、三角形といった底の型を紹介した。
しかし、これら説明に都合のよい型になるとは限らない。長期間、はっきりしない動きを続ける底もある。そして、このはっきりしない底からの兆し陽線を、ひとつの型として見出そうというわけである。
図表1の値動きで、最後のほうに約90度の角度の上げ下げトレンドが見える。このラインの下げの部分を上抜く陽線が、兆し陽線となるわけである。第5回で説明したように、明らかに傾向の変化と見られる陽線、というわけだ。
ルールにある三角形やボーダーラインを見るために、チャートに線を引く。その引き方を、あらためて説明しておきたい。
第2回でも説明したが、安易に線を引いてはいけない。「相場の先行きを当てたい」という気持ちから、ついつい答えを求めて線を引いてしまうのだが、カンタンに引ける線は意味をもたない。わざわざ線など引かなくても明確な場合のみ、「ラインがある」と認識できるのである。
<線は最低3点が必要>
前述した通り、2点間で線を引くのならどこにでも引けてしまう。
<鉛筆で薄く描く>
チャートは、余分な情報をできる限り排除し、慣れと感覚で見ることが重要である。線は、できる限り描かずにおきたい。とりあえず練習で描いてみないとわからないが、いつでも消せるように、また線が視覚的に強くなりすぎないよう、薄く鉛筆で描くべきだ。
そして、自分の引いた線を疑いながら何度も見直すことである。最初は、引いてはいけない線を引いてしまうはずである。
[図表2]ダメな線の引き方
<ヒゲを無視しない>
ヒゲの部分も、実際の値が動いた範囲である。ヒゲを無視して線を引いてはいけない。やはり、勝手な線ができてしまうからである。
「抜けたら大きく上昇する」可能性を示すラインとは?
【ルール 13】
ボーダーライン(切り上がり三角形の上辺)を超えたら5円上抜きをみて買い
三角形の上辺で、非常に強力なものを「ボーダーライン」と呼ぶ。強力とは何か? 期間が長くて何度も接点がある、つまり「繰り返し挑戦しているのに抜けない」ラインだ。「抜けたら大きく上昇する」可能性を示している。例外的に順張りで買ってよし、ということだ。
期間が長く接点が多ければ、多少の凸凹は当然ある。この場合は、少しくらいなら、ヒゲを無視して線を引いてもOKである。
[図表3]三角形になっていない例
[図表4]きちんとした三角形の例