新高値→大きく上昇→飛びつき買いOKは短絡的⁉
「新高値をつけたら買いである」という経験則を、聞いたことがあるだろう。しかし「新高値」といっても、どれくらいの期間で見た新高値なのかが問題である。図表1のように新しい傾向と認められる場合は、上昇がしばらく続くことを示唆している。
[図表1]新しい傾向示す新高値
しかし、
【ルール 24】
10年またはそれ以前の高値でも、それを抜いて新高値をつけたときはいったん売り
は、月足で見た一定期間以上の上げによって、過去の高値水準まで到達したということだ。その傾向が終了した、少なくとも終了しそうであると判断し、手を空かせて様子を見るのが賢明である、ということになる(図表2)。
[図表2]過去の高値水準に到達した新高値
一般にいわれる
新高値→大きく上昇→飛びつき買いOK
というのは、時間の経過を無視した短絡的な定義であるうえに、売買の戦略を含まない表現でしかない。
【ルール 27】
いったん利食いしたあと買い直すとき、または買い増しするときは出来高が細ったときにする
これは、FAI投資法の原則である。「相場は逃げない」という言葉が存在する通り、あわててポジションを取ることだけは避けたい。ルールによって売り手仕舞いしたあとは、とくに慎重になるべきだ。
以前ほど当たらない「5%で4日目」の法則
【ルール 25】
発行株数の5%以上の出来高をみせたら、4日目に利食い
毎日、場帳に終値と出来高を記す。問題にすべきは値動きであるが、低位株は「安値で出来高が細り、高値で増える」傾向があるので、多少の参考にはなる。
ルール 25のように発行株数の5%の出来高というのは、かなりの大商いである。人気がピークに達した可能性が高いことを示唆しており、いったん利食いをするべき状況なのである。
統計的に「その4日後に高値をみせるケースが多い」ということであるが、ネット証券の台頭、デイトレーダーの増加など市場構造が変化したので、「5%で4日目」は以前ほど当たらない(以前は、意外なほど当たった)。
しかし、話題化した銘柄に飛びついて苦労する一般投資家を横目に、着実な利益を取ろうとするのだから、「大商い=いったん利食い」という発想は大切にしたい。