今回は、底値でカギとなる「三角形」の分析について解説します。※本連載では、投資顧問会社「林投資研究所」代表取締役・林知之氏の著書、『東証1部24銘柄でらくらく2倍の低位株選別投資術:とにかく29のルールを守るだけ』(マイルストーンズ)の中から一部を抜粋し、「低位株選別投資術(FAI投資法)」で勝つための29のルールを解説します。

値動きの範囲を示す三角形の「確認ライン」

【ルール 4

三角形に注意。切り上がり、二等辺、切り下がり、各三角形のうち切り上がり三角形が最も強い。とくに2~3年あるいはそれ以上かかって形成された三角形は大きく上伸する

 

ローソク足において、少ない本数でトレンドの変化などを判断する「線組み」(せんぐみ)は、特殊なチャート分析である。2次元(タテ軸が値段、ヨコ軸が時間の経過)のチャートでは、足(線)の集合形を主として、それにトレンドラインを加えたものが一般的だ。三角形というのは、値動きが次第に収れん(値動きの振幅が徐々に小さく収束していくこと)し、一定期間の変動範囲が、右側にとがった三角形に見える様子をいう。

 

値動きの範囲を示す三角形の上下の線を「確認ライン」という。

 

確認ラインはトレンドラインの一種であり、FAIで使用する確認ラインは、

 

①三角形では、上辺と下辺

②保合では、上辺と下辺

③ボーダーラインおよびプラットフォームでは、原則として上辺のみ

④底練りの中の上げ下げでは、上辺のみ

 

である(なお、ボーダーライン、プラットフォームは、確認ラインのうち特殊なものである)。

「三角形」の先端を過ぎると、相場は大きく動く⁉

さて、この三角形にも種類がある。先端(チャートの右側)が上を向いている切り上がり三角形、下向きの切り下がり三角形、上下の確認ラインの角度がほぼ等しい二等辺三角形の3種類である。

 

[図表]三角形の種類

 

この中では切り上がり三角形が最も強い。また、三角形を形成する期間が長いほど、その後の動きは大きいと考える。

 

では、三角形がどのような分析につながるのか。

 

一定の時間をかけて値動きの振幅が段々と小さくなった(収れんした)結果が三角形の出現だから、その後(三角形の先端を過ぎると)は大きく動くことを暗示している。だが、いったい上に行くのか下に向かうのかが問題である。

 

もちろん、底では「これから上伸」であり、天井では「これから下げに向かう」ことになるし、中段では「さらなる上昇」あるいは「再び下落」となる。しかし、中段や高値圏では、きれいな三角形ができにくいうえに、長期トレンドが不意に変化することもあるので、予測を誤るケースが多い。

 

それに対して、底における三角形は典型的な形で現れ、それこそ100%に近い確率で当たるのだ。

 

最後に大切な注意点をひとつ。三角形の線(確認ライン)は、必ず3カ所以上を結ぶ線でなければならない。もし、2点間でいいのなら、チャートのどこにでも好きなように引くことができてしまう。

 

やたらと線を引いてあるチャートを見ることもあるが、だいたいは2点間で引いた線ばかりで、分析においては意味不明だ。

 

確認ラインは安易に引くものではない。そのかわり、線が引けたときは強い意味をもつことになる。

本連載は、林知之氏の著書『東証1部24銘柄でらくらく2倍の低位株選別投資術:とにかく29のルールを守るだけ』(マイルストーンズ)から一部を抜粋したものです。掲載している情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。投資はご自分の判断で行ってください。また、本連載を利用したことによるいかなる損害などについても、著者、版元、および幻冬舎グループはその責を負いません。

東証1部24銘柄でらくらく2倍の 低位株選別投資術

東証1部24銘柄でらくらく2倍の 低位株選別投資術

林 知之

マイルストーン

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