値動きの範囲を示す三角形の「確認ライン」
【ルール 4】
三角形に注意。切り上がり、二等辺、切り下がり、各三角形のうち切り上がり三角形が最も強い。とくに2~3年あるいはそれ以上かかって形成された三角形は大きく上伸する
ローソク足において、少ない本数でトレンドの変化などを判断する「線組み」(せんぐみ)は、特殊なチャート分析である。2次元(タテ軸が値段、ヨコ軸が時間の経過)のチャートでは、足(線)の集合形を主として、それにトレンドラインを加えたものが一般的だ。三角形というのは、値動きが次第に収れん(値動きの振幅が徐々に小さく収束していくこと)し、一定期間の変動範囲が、右側にとがった三角形に見える様子をいう。
値動きの範囲を示す三角形の上下の線を「確認ライン」という。
確認ラインはトレンドラインの一種であり、FAIで使用する確認ラインは、
①三角形では、上辺と下辺
②保合では、上辺と下辺
③ボーダーラインおよびプラットフォームでは、原則として上辺のみ
④底練りの中の上げ下げでは、上辺のみ
である(なお、ボーダーライン、プラットフォームは、確認ラインのうち特殊なものである)。
「三角形」の先端を過ぎると、相場は大きく動く⁉
さて、この三角形にも種類がある。先端(チャートの右側)が上を向いている切り上がり三角形、下向きの切り下がり三角形、上下の確認ラインの角度がほぼ等しい二等辺三角形の3種類である。
[図表]三角形の種類
この中では切り上がり三角形が最も強い。また、三角形を形成する期間が長いほど、その後の動きは大きいと考える。
では、三角形がどのような分析につながるのか。
一定の時間をかけて値動きの振幅が段々と小さくなった(収れんした)結果が三角形の出現だから、その後(三角形の先端を過ぎると)は大きく動くことを暗示している。だが、いったい上に行くのか下に向かうのかが問題である。
もちろん、底では「これから上伸」であり、天井では「これから下げに向かう」ことになるし、中段では「さらなる上昇」あるいは「再び下落」となる。しかし、中段や高値圏では、きれいな三角形ができにくいうえに、長期トレンドが不意に変化することもあるので、予測を誤るケースが多い。
それに対して、底における三角形は典型的な形で現れ、それこそ100%に近い確率で当たるのだ。
最後に大切な注意点をひとつ。三角形の線(確認ライン)は、必ず3カ所以上を結ぶ線でなければならない。もし、2点間でいいのなら、チャートのどこにでも好きなように引くことができてしまう。
やたらと線を引いてあるチャートを見ることもあるが、だいたいは2点間で引いた線ばかりで、分析においては意味不明だ。
確認ラインは安易に引くものではない。そのかわり、線が引けたときは強い意味をもつことになる。