今回は、5つの底型について解説します。※本連載では、投資顧問会社「林投資研究所」代表取締役・林知之氏の著書、『東証1部24銘柄でらくらく2倍の低位株選別投資術:とにかく29のルールを守るだけ』(マイルストーンズ)の中から一部を抜粋し、「低位株選別投資術(FAI投資法)」で勝つための29のルールを解説します。

酒田罫線法の線組における5つの「底型」

【ルール 9】

底練りの中で過去4~5本を一気に上抜く陽線は上げの兆し

 

【ルール 11】

W型、M型後の切り返し(両抜きも)は上げのはじめ

 

ルール 11に「切り返し」という言葉がある。これは罫線用語である。「両抜き」という用語とともに解説する(図表参照)。

 

まず、陰線の次に同じ長さの陽線が来た場合、これを「拍子木」と呼ぶ(A)。陽線が下にずれると「差し違え」(B)。

 

Bと同じに陽線が陰線の下部(終値)より安く始まって、上に抜けた場合はDのようになる。これを「両抜き」という。

 

そして、陰線の終値より高く始まって上に抜けるとCの形となり、これを「切り返し」という。前述した「線組み」の見方である。

 

最近はBCも厳密に区別せず「切り返し」と呼ぶようで、FAIでも厳密な区別はしない。

 

[図表]切り返しの形

 

また、両抜きの正反対を「孕み(はらみ)」と呼ぶ(E)。

 

これら5つを酒田罫線法の線組みでは「底型」としている。5つのうち底型としていちばん強いのはCEである。次がD、最後にABという順になる。しかし、前後の動きによってちがってくるし、FAIでは線組みの細かいちがいを重要視する場面はない。

 

切り返しという言葉についても、酒田罫線法の線組みではなく、一般的な用語、つまり「値動きの反動」と理解していればよい。

値動きの「底固めの横ばい」の感覚を捉えることが大切

W型は、第1回で解説した底練りの形である。底値の往来がアルファベットのW型になるわけだ。同じようにMの形に見える底練りもあるが、やはりMとかWを強く意識する必要はない。

 

説明に都合のよい値動きが、そうそうあるわけではない。現実では、典型=例外という認識が必要だ。しゃくし定規に典型を探そうとすれば、細かい部分にだけ目がいって、肝心なものを見落としてしまう。

 

W型、M型という言葉を頼りに多くのチャートを見て、「底固めの横ばい」を感覚的に捉える姿勢が大切だ。

 

兆し陽線についても同じことがいえる。ただ単に「安値での長い陽線」が、上げを示唆する兆しとして評価できるわけではない。

 

●十分に下げる

●底の形が出来る(底練りをする)

●明らかに傾向の変化と見られる陽線が出るという具合に、総合的に判断するのだ。

 

やはり慣れが必要であり、慣れるために同じ規格で描かれた多数のチャートを見る経験が必須だ。

本連載は、林知之氏の著書『東証1部24銘柄でらくらく2倍の低位株選別投資術:とにかく29のルールを守るだけ』(マイルストーンズ)から一部を抜粋したものです。掲載している情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。投資はご自分の判断で行ってください。また、本連載を利用したことによるいかなる損害などについても、著者、版元、および幻冬舎グループはその責を負いません。

東証1部24銘柄でらくらく2倍の 低位株選別投資術

東証1部24銘柄でらくらく2倍の 低位株選別投資術

林 知之

マイルストーン

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