今回は、月足における十字について解説します。※本連載では、投資顧問会社「林投資研究所」代表取締役・林知之氏の著書、『東証1部24銘柄でらくらく2倍の低位株選別投資術:とにかく29のルールを守るだけ』(マイルストーンズ)の中から一部を抜粋し、「低位株選別投資術(FAI投資法)」で勝つための29のルールを解説します。

「十字」は1カ月の陰陽足では出現する率が低い

【ルール 5】

三角形の先端陰線下部の十字は直ちに買い

 

【ルール 6

2番底の陰線下部の十字は直ちに買い

 

直ちに買い。29のルールの中で、ここまで強調した買い指示は、この2つだけである。

 

しかし、あわてて資金いっぱいに買う、ということではない。秘密のシグナルを探したり、それっぽいものを見つけてコーフンするのはよろしくない。

 

【ルール 16

買うときは2分割またはそれ以上の分割で、細かく分けるときは下値ほど厚く買う

 

このルールに素直に従い、ゆっくりあわてずに買えばよい。

 

ここでいう「直ちに買い」とは、この形が出たら、「その後の下値があまりなく、翌月から上昇する確率が高い」という統計に基づいている。日足では、十字がわりとよく出現するが、1カ月(立会で約20日間)の陰陽足では出現する率が低いので、それだけ注目に値する。

 

ある人が、月足を引いていて十字が出たとたん勢いよくイスから立ち上がってケガをした、という笑い話もあるくらいだ。

底となるケースが非常に多い「下値における十字」

さて、十字についての詳しい説明をしよう。

 

[図表1]三角形先端での十字

 

[図表2]2番底での十字

 

陰陽足(ローソク足)は、寄付から引けにかけて長方形を描く(実体という)。寄付と引けが同値(寄り引け同事)の場合、実体の長方形がなく、文字通りの十字足となる。

 

だが月足では、ピタリ同値は出現しにくいので、極めて短い実体を「小動き」として評価したい。といっても「短い」ではあいまいだから、「同値」または「1円ちがい」を十字と呼ぶ。

 

月足において十字は、とても重要である。しかし、酒田罫線法の十字とはちがい、上値における十字が天井となる例はほとんどない。逆に、下値における十字が底となるケースは非常に多いのである。

 

[図表3]十字足

 

本連載は、林知之氏の著書『東証1部24銘柄でらくらく2倍の低位株選別投資術:とにかく29のルールを守るだけ』(マイルストーンズ)から一部を抜粋したものです。掲載している情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。投資はご自分の判断で行ってください。また、本連載を利用したことによるいかなる損害などについても、著者、版元、および幻冬舎グループはその責を負いません。

東証1部24銘柄でらくらく2倍の 低位株選別投資術

東証1部24銘柄でらくらく2倍の 低位株選別投資術

林 知之

マイルストーン

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