「十字」は1カ月の陰陽足では出現する率が低い
【ルール 5】
三角形の先端陰線下部の十字は直ちに買い
【ルール 6】
2番底の陰線下部の十字は直ちに買い
直ちに買い。29のルールの中で、ここまで強調した買い指示は、この2つだけである。
しかし、あわてて資金いっぱいに買う、ということではない。秘密のシグナルを探したり、それっぽいものを見つけてコーフンするのはよろしくない。
【ルール 16】
買うときは2分割またはそれ以上の分割で、細かく分けるときは下値ほど厚く買う
このルールに素直に従い、ゆっくりあわてずに買えばよい。
ここでいう「直ちに買い」とは、この形が出たら、「その後の下値があまりなく、翌月から上昇する確率が高い」という統計に基づいている。日足では、十字がわりとよく出現するが、1カ月(立会で約20日間)の陰陽足では出現する率が低いので、それだけ注目に値する。
ある人が、月足を引いていて十字が出たとたん勢いよくイスから立ち上がってケガをした、という笑い話もあるくらいだ。
底となるケースが非常に多い「下値における十字」
さて、十字についての詳しい説明をしよう。
[図表1]三角形先端での十字
[図表2]2番底での十字
陰陽足(ローソク足)は、寄付から引けにかけて長方形を描く(実体という)。寄付と引けが同値(寄り引け同事)の場合、実体の長方形がなく、文字通りの十字足となる。
だが月足では、ピタリ同値は出現しにくいので、極めて短い実体を「小動き」として評価したい。といっても「短い」ではあいまいだから、「同値」または「1円ちがい」を十字と呼ぶ。
月足において十字は、とても重要である。しかし、酒田罫線法の十字とはちがい、上値における十字が天井となる例はほとんどない。逆に、下値における十字が底となるケースは非常に多いのである。
[図表3]十字足