「逆行新値2本」が出現したら1段とみなす
【ルール 1】
4~5年下げ、3段下げ完了の銘柄を買う
株価は、5年から10年で長期の上げ下げをみせる。その長期トレンドの安値圏にいて、かつ上昇直前あるいは上昇が始まりそうな銘柄がFAIの対象である。だから、まずは下げきっていることが条件だ。
株価は、天井から1段目の下げ→保合→2段目の下げ→保合→3段目の下げ→底練り(安値での保合)と推移する。では、何をもって1段とするのか。過去の動きを見て「これが1段、これで2段、ここで3段下げ・・・ほら底練りをみせて上昇する」なんて解説は誰にでもできる。あとからではなく、途中で「いま、どこにいるのか」を判断するために、酒田新値(日足による数え方)を月足に適用してみる。
陰線で下げてきて、新安値をつけて戻り、陽線で新高値を2回つけた状態、つまり、「逆行新値2本」が出現したら1段とみなす。こう定義すれば、すっきりするが、単なるしゃくし定規の数え方なんて、現実には通用しない。
「3段」とは、数字の「3」ではなく、便宜的に数字を入れた慣用句のようなもので、十分な日柄(年数)をかけて大きく下げた、いわゆる「十分に下げた」「下げきった」ことと捉えてほしい。
以降、淡々と「型」「形」で説明していくが、すべては基本イメージ、モデルとして定義したものだ。そういった典型こそピッタリの事例が少ない例外なのが現実だが、それが“標準”というものであろう。
短期間で2番底を形成する「毛抜き」
【ルール 2】
底練りの中の2番底形成を待つ
【ルール 3】
下に来ての6連続陰線に注意。W型の底、または小さくとも毛抜きの出るのを待つ
3段下げで「下げきったと思われる」だけでは不十分、きちんと底打ちを確認するには、月足で安値の型を見る必要がある。「天井も底も2回ずつ」という相場格言がある。「2番天井」「2番底」を見て、相場のトレンドが完全に行き詰まったことを確認するわけである。
安値をつけたあと、いったん戻し、再度下げて1番目の安値近辺で止まったところが2番底である。1番底に向かう下げトレンド、戻り、下げ、2番底後の上昇、の4つの上げ下げがアルファベットの「W」の形になるわけだ。
このW型を形成する期間は、まちまちである。1年以内のときもあれば、4~5年かかるものまである。
しかし、1番底の翌々月に2番底というように、ごく短期間のうちに2番底をつけることもある。このときは、短期間なので1番底と2番底がほぼ同値(せいぜい1円ちがい)でなくてはならない(月足の実体ではなく、ヒゲの安値で見る)。2番底のほうが上値にあれば、それはまだ「1番底のあとの戻り」の状態だし、2番底のほうが下値にあれば「あらたな下げトレンド」あるいは「下げトレンドが続いている」ことになり、2番底とはいえないからである。
このような短期間で2番底を形成する形を「毛抜き」という。
また、6カ月連続の陰線で下げが続くということは、急速に人気が冷えたことを意味する。
しかし、一時的な人気の冷え込みで、ファンダメンタルの要素がよければ(純資産の増加、人員整理、経常利益の大幅増加)、下げた反動で大きく上がることになるわけだ。
もちろん、それ以前からの長期の流れ、つまり大局的な値動きが問題であるが、例えば3段下げのあとW型の底を形成しているときの6連続陰線となれば、絶好の買いチャンスとなり得る。