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「自分の器以上」の人間を扱うことはできない
経営者ステージでのキーワードは、「調和」です。オーケストラと同じく、美しいハーモニーを奏でることで、観客により大きな感動を与えることができます。そのために、社長は優秀な人材を集めたいと切望するはずです。
社長の器以上の人間を扱うことはできません。仮に、現在チームをお持ちの社長で、メンバーの愚痴を言っていたとすれば、それは一切解決の糸口になりません。しかし、社長自身が変われば、すべてが変わるものです。つまり、社長は一生、自己啓発し続けるべきということです。
なぜ、チームメンバーはあなたの会社に集まるのでしょうか？ 体で例えると気持ちの悪い話にはなりますが、もし自分自身が手足で、どこかの体に所属できるとすれば、どんな体がいいでしょうか？
大半の人が、いい頭脳を持ち、血液がスムーズに循環できている健康な体を求めるでしょう。チームメンバーの立場で考えると、それはまぎれもない事実です。
しかし、もし給料のためだけに集まっているのなら・・・それは、頭脳は考慮されておらず、血液のみを求めている手足のようなもの。元々は、手足とは脳の指令によって動くものですが、給料のためだけに集まるメンバーがいれば、脳の指令通りに動かなくなる事態を引き起こすことがあります。これは大きな問題です。
中には、「うちに来たら、これだけ稼げるよ」と、報酬を提示してスカウトする方法もあります。確かに、スカウトされる側からしたら魅力的かもしれません。しかし、将来的に最高のハーモニーを生み出す一員にはならないかもしれません。
では、どのようにしてふさわしいメンバーを引き寄せるのでしょうか？
鍵は、あなたの「使命」と「ビジョン」です。これらは、体で言う心臓に該当します。
血液は心臓というポンプによって全身に送り出されています。ビジネスの心臓が、豊かさの運命を握ると言っても過言ではないでしょう。その心臓で、「なぜ、このビジネスをやっているのか？」について、どう想われているのか？ 理想は、ただ血液を求めてくるメンバーではなく、その源である心臓を見て、魅了されたメンバーこそがあなたの会社にふさわしいメンバーであるということです。
社長自身が壮大な使命やビジョンを発信すれば、それに共感した人たちが、ぜひ協力させてくださいと集まってくるのです。「この指とまれ！」のようなものです。
社長に求めらる本当の力は「未来への視点」
当然のことながら、社長には、数字をベースにした判断力が求められます。しかし、数字だけでは人はついてきません。MBAでは、数字を見つめ、事業計画をみっちり立てるということをしますが、これは、目先が過去と現在を向いており、言い換えると損得計画です。しかし、本当に社長に求められている力とは、未来への視点です。要するに、わくわくする未来を感じさせ、チームを惚れさせる力です。
実行部隊としてチームメンバーが動いてくれている中でも、大きなビジョンを掲げるのは、社長にしかできない仕事です。顧客を感動させたければ、まずはチームからです。チームを感動させることができずして、なぜ世間の人々を感動させることができるのでしょうか？ そして、なぜそのような会社が大きな収益を手にすることができるのでしょうか？
起業家ステージを強固にするために、「独自性の確立」がありましたが、使命やビジョンも、独自性の一貫です。ここでいかに魅力あるブランド力を確立できたのかで、チームの質が変わります。仮に、独自性を尖らせることができていないままチームを形成すれば、一言でいうと、あなたは「なめられる」ことになってしまい、チームの崩壊につながります。
その結果、ただの烏合の衆になってしまい、責任が重い上に、相乗効果を生み出せないチームを形成してしまうことになるのです。
ここでも、急ぎは禁物。社内の営業部隊が早く集まってくれた方が、社長としては嬉しいですよね。自分が動かなくても売上が上がるようになるのですから。しかし、とりあえず人を集めたいがために、実力は高いが誠実さに欠ける人を選ぶと、再び起業家ステージに戻ることになってしまいます。だから、しっかりとしたビジネスコンセプトを確立させ、魅力ある会社をつくりましょう。そして、多くの人に惚れられる社長になりましょう！
