チームの士気を保つため、人選に妥協は禁物
チームがうまく機能するために、重要なのはやはり人。時には、人手がほしいからといって、安易に身近な人を雇ってしまう人がいますが、共に働く人間に対しては、絶対に妥協してはいけないものです。
なぜなら、箱の中のミカンにおいて、一つでも腐ってしまえば、他のミカンも腐るように、メンバーのたった一人の行動が、他のメンバーにも大きく影響を及ぼすことがあるからです。一人でも会社の使命やビジョンとはかけ離れた、周囲の士気を下げるような行いをするだけで、勢いのあったメンバーの勢いが弱まることもあります。
例えば、一人のメンバーが社長の悪口を言ったとします。組織ができれば、自然と派閥が生まれるものですが、こういうときに「社長の気持ちも考えてみたらどうだろう? 我々にもできることがたくさんあるじゃないか」と、チームに喝を入れられる右腕がいれば幸いです。
しかし、そのような存在がいないままでは、愚痴や不平、不満をこぼすメンバーが一人、また一人と増えていき、次第にチームの士気は駄々下がりです。そのような状態が改善されないままだと、社長に対する尊敬の念がなくなり、一部のメンバーの中で「俺たちで好きにやろうぜ」という風潮が生まれれば、裏切りや競合を立ち上げられることにもなりえます。
しかし、プラスの言葉やエネルギーがチーム内で伝染すれば、最高のパフォーマンスを発揮できるようになるわけです。いつもメンバー同士がよい影響やよい刺激を及ぼし合えることができるように、最高のメンバーだけを集める必要があるのです。
積極性、誠実さ、素直さ・・・一定の水準を設定する
株式会社GOSPAで働くメンバーは、完全歩合制です。つまり、GOSPAコンサルタントには固定給がなく、それぞれが会社社長として責任を持って活動しています。いるだけでOKな会社員とは異なり、厳しい世界なのです。それもあってか、過去には、起業家として通用せず、やむなく辞めていく人たちもいました。そう考えると、外資系保険会社と似たところがあるかもしれません。完全成果報酬で、食べていけないなら辞めるしかないのです。
もちろん、手厚い教育制度を整え、定期的にフォローを受けられる環境を整えているということもあり、さらに優秀なメンバーが集まってくれたことで、今では、ビジネス初心者でも1年以内に月200万円を超える金額を稼ぐ人もいます。
そのような人に憧れ、「働かせてください」と申し出てくる人も多数います。ありがたい反面、私は厳しく突っぱねることがあります。なぜなら、会社員のマインドのままの人間は間違いなく通用しない世界であり、実際に、過去にそのような人が半年も経たない間に消えていく姿をたくさん見てきたからです。
だから、消えていく人を一人も生みたくないということもあり、ある一定の水準を超えた人でない限り、どれだけ「働きたい」と言われてもGOSPAコンサルタントとしての採用を出さないのです。
そのある水準とは、次のような観点です。私の会社のケースで挙げた点なので、全業種に通用するわけではありませんが、参考にできる点があると幸いです。
●積極的な心構えがあること
積極的な心構えとは、言い換えると言い訳をしないことです。「でも」「だって」と言っている人で、成功する人はいません。すべてが自己責任だと思い、自分の頭で考え、決断ができる人である必要があります。
●自己啓発オタクであること
その業界のオタクであることは、本人のプロ意識につながります。本書(『なぜ高収入社長よりも、低賃金サラリーマンの方が人生のステージが高いのか?』)でも述べたように、その仕事に100%の情熱を注げることが、高いパフォーマンスにつながるのです。
●大胆な人であること
起業家は、リスクばかりを考えて行動できなければ、会社を衰退させます。特に、セールスは、勝ちか引き分けしかない負けのないギャンブルをするようなものです。負けがないのに賭けられない人は、少ない結果しか手にできず、大胆に全額を賭けられる人は、大きな結果を手にします。
●誠実で素直な人格であること
誠実さと素直さは、成功者の特質です。伸びしろが無限にあるようなものです。しかし、ひねくれものは、指導者や協力者を遠ざけ、孤独を呼びます。