この程度を貯められる「金銭感覚」がないと・・・
「お金がなくても不動産投資はできる! そうはいっても、ね・・・」と考える人もいるはずです。「お金もないのに土地を担保に融資を受けてアパート経営をはじめたところ、入居者が埋まらずに返済ができずに破綻した!」といった話も耳にします。そうなると、立ち止まってしまうこともあるでしょう。
その点、僕の経験から述べると、前述のとおり「お金がなくても不動産投資はできるけど、僕は300万円くらいは貯めてからはじめたほうがよい」ということをお伝えしておきます。
ふつうに貯蓄していれば、貯まる金額です!
300万円という数字に厳密な根拠はありません。もし、根拠を示すとなると、物件を仲介で購入した場合の不動産業者への仲介手数料(物件価格によって計算式は異なりますが、400万円以上の物件だと取引価格の3%+6万円、消費税別)や不動産購入時の登録免許税などの税金、司法書士への報酬など諸費用を含めて50万〜100万円くらいにはなるでしょう。
その最低限必要なお金と比較すれば、300万円という数字は大きな金額です。では、なぜ300万円くらいは貯めたほうがいいのか。理由は単純で「そのくらいの金額を貯めることができる金銭感覚が大事」ということです。
僕の場合は、子どもの頃から、お金・貯金・貯蓄ということが好きでした。仕事は波があり、株などでうまくいかなかったときもありましたが、それでもコツコツ貯めるということが好きでした。だからこそ、子どもの頃からコツコツ貯めたお金が手元に300万円くらいはあったわけです。
ふつうに勤めている人なら、300万円という貯蓄額は、ラクに貯められる額とはいいませんが、実直に貯めれば十分に貯められる額です。むしろ、これぐらいの金額を貯められない金銭感覚だと、およそ「投資」というものがうまくできないように思います。
一般的な金銭感覚で300万円というと、それなりのクルマをキャッシュで買えるくらいの額です。そのくらいのお金を貯めれば、「新しいクルマを購入してもいいですし、不動産投資をはじめてみてもいいですよ」といった金額です。
少なくとも、100万円しかタネ銭がないのに「ゼロ円からできる株・FXといった言葉に踊らされ、結局、数千万円の借金を背負って自己破産してしまう」より、よほど健全な投資です。みなさん、そう思いませんか?
貯蓄があれば、経費の融通が利き「借入れ」もラクに
300万円というのは月5万円の貯蓄で5年間。年100万円ずつ貯めれば3年、年150万円貯めれば、2年です。正直に申し上げると「そのくらいは貯めましょうよ!」という金額です。
金額的なことだけ考えると、若くて独身、親元から通勤しているサラリーマンは、いちばん貯めることができやすい属性です。「給料が安くて・・・」とぼやいているのなら、もっと苦しく、厳しい生活が今後に待っています。そう考えると、若くて独身、親元から通勤しているサラリーマンは、不動産投資の最大のチャンスを迎えている人なのです。
若くて堅実なサラリーマンにそれだけの自己資金があれば、3000万円台の1棟アパートをフルローンで買えます。10室を越えるでしょうから、事業規模ということで、法人扱いにもできるでしょうし、そうなれば経費の自由度も増します。そんなことより、銀行の対応も変わってきます。そのステージを最初からクリアできれば、あとの借入れ交渉もずいぶんラクになるのです。
僕の教える人が、3DKの古い、売値150万円のマンションを指値120万円で購入したケースがあります。家賃3万8000円でなんとか入居者がつきました。借入れも230万円できて、当初の手元資金より潤沢になったといいます。
もし、いまそのマンションを売却すればいくらくらいになるか。収益還元法で計算すると、家賃3万8000円×12で年間家賃は約45万円。借入金に対する利回りは45万円÷230万円で約20%。1%は2.25万円。100%とすると225万円。
120万円で購入した古い、誰も購入しないだろうと思うようなマンションは、+100万円の225万円ほどで売れると銀行は評価する、ということになるわけです。
その人は、その売却額と元手の数十万円があれば、300万円となり、同じような投資を続けることができるということになります。