今回は、不動産収入の再投資で「お金がお金を生むしくみ」をつくる方法を説明します。※本連載では、成田勉氏の著書『高校中退父さんのみるみるお金が増える不動産投資の授業』(みらいパブリッシング)より一部を抜粋し、300万円からはじめる不動産投資のポイントについて解説します。

収益は「使っておしまい」にしてはならない

すべての投資には、キャピタルゲインとインカムゲインという二つの収益があります。キャピタルゲインとは、その投資した資産の価値が変動したことによって得られる収益のこと。価値の変動ですから、上昇もあれば下落もあります。

 

一方、インカムゲインは資産を活かしたことによる収益です。不動産投資では家賃収入ですから、空室や滞納などのトラブルを抱えている場合を除いて、基本的には概ね定額が毎月入ってきます。

 

不動産収入には二つの収益がある、というのは喜ばしいことですが、投資をしたら何もしなくても得られるというわけではありません。キャピタルゲインの場合は、自分ではどうすることもできない面もあり、購入時に資産価値が徐々にでも上がりそうな物件に眼をつけたり、資産価値が目減りしないような対策をとったりする必要があります。

 

そして、単純に「収益を得たらサラリーマンの給料と同じように使ったらおしまい」ではなく、その収益を「お金がお金を生むしくみ」のなかに投入することが大切です。その典型的な手法が再投資ということになります。

「再投資によるレバレッジ効果」のうま味

アパート1棟に投資して、家賃収入が毎月50万円入ってくるとしましょう。借入れはなしと仮定します。年間600万円の家賃収入を得られることになります。そこから生活費を除いて年200万円のお金を貯めることができたとすると、5年間で1000万円。その1000万円を元手に、再び不動産投資をします。これが再投資の基本形です。

 

2棟目の物件に投資するとき、頭金が不足しているのであれば、融資を受けることになります。その際には1棟目の物件が担保として活きてきます。1棟目の毎月の家賃は空室が少し長引いたりしたことなどよって、毎月40万円に減っているかもしれません。

 

それでも2棟目からの家賃が毎月50万円入ってくれば、毎月計90万円。年間で1080万円の家賃収入が得られます。まさに「再投資によって、お金がお金を生むしくみができてきた状態」です。

 

ところがそのとき「2棟目では借入れしてるんでしょ。その返済は大丈夫?」という声もあるでしょう。その返済のお金は、入居者が行ってくれています。1棟目の毎月の家賃40万円をそっくりそのまま返済に回し、2棟目の家賃収入の毎月50万円で暮らせば、以前と変わらぬ生活費で大きな額を返済できます。

 

これが3棟目、4棟目となってくれば、毎月の返済額がより大きくなり、完済までの期間が短縮されます。場合によっては、一定の大きな額を貯めるより、借りて返済したほうが借入れ期間や貯蓄の努力などの負担が軽減されるケースもあります。

 

そうなると、お金がお金を生むしくみに加速度がついてきた状態です。それを不動産投資のレバレッジ効果ということもできます。レバレッジ(てこ)が効いて、より「お金を生みやすくなるしくみ」を手に入れたということです。

 

不動産投資に縁のなかった人は、「なぜ、あの人は何棟も不動産に投資しているんだろう」と不思議がることもあるでしょう。でも、そういう投資家は、「再投資によるレバレッジ効果」のうま味を知っているのです。最初は300万円で不動産投資に関してできることをやっていた人も、何年後かにはこのうま味を得られる状況になっていきます。ぜひ、そこまでは、がんばりましょう!

 

本連載は、2018年2月19日刊行の書籍『高校中退父さんのみるみるお金が増える不動産投資の授業』(みらいパブリッシング)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

高校中退父さんのみるみるお金が増える不動産投資の授業

高校中退父さんのみるみるお金が増える不動産投資の授業

成田 勉

みらいパブリッシング

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