「米国ゼロクーポン債」には、投資の面白味はないが・・・
米国ゼロクーポン債は、コツコツ頑張って堅実に資産運用したい人の味方です。パソコンの画面にかじりついて、朝も夜もなくトレーディングする必要などありません。1年に1回、証券会社に電話して購入すれば、あとは放っておいて構いません。
その点、裏を返せば面白味のない投資と言えるかもしれません。「もっと刺激的な投資に挑戦してみたい」という人は、株やFXにチャレンジした方がいいでしょう。あくまでも個々人の選択次第です。
ただそれでも、ポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)のなかに、米国ゼロクーポン債を入れておくべきだとは申し上げておきます。結局のところ、資産運用はバランスが大事です。リスクを取るにしても、再起不能になってしまうことは避けた方がいいでしょう。
老後を支える理想的なポートフォリオの事例
私がお勧めするポートフォリオについて、ここで簡単に紹介しておきます。下の図表をご覧ください。
[図表]著者の勧める土台となる資産構成
まず、土台となるのは「公的年金」です。公的年金がきちんと支払われることによって、老後の生活は安定します。
次に、「米国ゼロクーポン債」があります。これはまさに、年金額を上乗せする「自分年金」と考えていいでしょう。米国ゼロクーポン債は、満期日にもらえる額が決まっているので、年金のように取り扱うことが可能です。
そしてその上に、「現金(預金)」があります。この場合の現金(預金)とは、最低限の生活に必要な6カ月分の資金となります。およそ200万円~と考えてください。
この3つが、老後の生活を支える、まさに土台となる資産構成です。それらに加えて、成長戦略の投資(つみたてNISA)も組み込むことで、資産構成はさらに盤石になります。理想的なポートフォリオについての詳細は、第7章(※本著『証券会社がひた隠す 米国債投資法』参照)であらためて解説していきます。