普遍的なものではない不動産投資の「利回り」
不動産投資は老後の生活を支えるための資金運用に適しているとはいえ、投資の対象はどのような物件でもいいというわけではない。不動産投資は、株式やFXに比べれば安全ではあるが、それでもまったくリスクがないわけではないからだ。
不動産投資でいちばん大きなリスクとは、「空室リスク」である。同じ都内でも、賃貸需要が低い地域や、将来的に人口の減少が進むであろうエリアの物件などに手を出してしまうと、入居者が付かず、家賃収入はないがローンの返済などの出費は続くという状態に陥るおそれがある。そして最悪の場合には、損失覚悟で売却するはめになってしまうこともある。これでは投資の意味がなくなってしまう。
多くの人は、不動産投資をする際に「利回り」を重視しすぎて失敗する。不動産投資における利回りとは、投資額に対する家賃や地代の収入割合のことで、家賃(年額)÷不動産投資額=利回りという数式で表せる。
ちなみに預貯金の利回りは、利息(年額)÷預貯金金額=利回りとなるが、不動産の利回りに比べると、かなり低い水準となる。これは、不動産投資は、換金性の悪さや管理の必要性、資産としての安定性などの点で、預貯金に比べてどうしてもリスクが高くなるという特徴があるためである。つまり、利回りを高くしなければ、リスクの高い不動産投資市場に参入する投資家がいなくなってしまうため、預貯金よりも高い利回りにする必要があるということだ。気をつけなければいけないのは、不動産投資の利回りは、普遍的なものではないということだ。
購入時の利回りが10%と算出されていたとしても、それはあくまでも「ずっと空室がなく、すべてがうまくいったケース」を想定したものにすぎない。もし、1年のうちに1カ月でも空室が出たら、利回りは下がってしまう。したがって、購入時の利回りは、不動産投資の指標にはけっしてならないのだ。
平たく言えば、空室が出る可能性が高い物件ほど、利回りを高めに設定(=物件価格を安く設定)しているということだ。逆に言えば、利回りの高い物件は、それだけリスクが高いということにほかならない。
不動産投資を成功させるには、目先の利回りで物件を選ぶのではなく、将来にわたって安定した家賃収入が得られるかどうかを、しっかり見極めたほうがいい。特に年金の代わりに家賃収入を得たいと考えているのなら、保有期間における累計賃料がいくらになるかという視点を、忘れてはならないのだ。
では、将来的に安定した家賃収入を生み出す物件とは、どんなものなのだろうか。それは、ずばり「入居者が途絶えない物件」だ。空室状態が続けば当然、家賃収入が途絶えてしまうからだ。安定したマンション・アパート経営をするためには、入居者が長く住み続けてくれる、あるいは、入居者が退去したとしても、すぐに次の入居者が決まる物件であることが重要なのだ。
家賃の高い一等地より、「住みやすい街」に着目
では、そういう物件は、どこにあるのか。
たとえば港区や千代田区、中央区といった、東京都心の一等地にあるマンションは、誰もが憧れるに違いない。しかし、こういった都心の不動産は、物件価格も高いし、家賃も高い。ワンルームの賃貸マンションの平均家賃も、ある不動産情報サービス事業者の調査によれば、港区は13万円程度、中央区や千代田区は12万円程度、渋谷区は11万円程度となっている(2017年10月時点)。この金額をポンと出せる単身者が、はたしてどれだけいるだろうか。
そうしたこともあってか、最近の「住みたい街ランキング」などを見てみると、武蔵小杉(神奈川県川崎市)がランクを上げるなど、少し郊外にはなるが都心へのアクセスが良いエリアへの注目が高まってきている。ここからは、実際に住むということを考えたとき、人は必ずしも「憧れの街」を選ぶとは限らないという現実が見えてくる。
こうした現実を踏まえ、マンションの建設立地において、郊外でも都心へのアクセスの利便性が高いことを重視することで、安定して高い入居率をキープしながら都心より利回りの高い物件を提供しているのが、AZESTグループなのである。
グループCEOの清水は、次のように語る。
「不動産投資の魅力は『賃料』を毎月得られる点にあります。しかも、賃料水準は比較的安定しています。数ある投資商品のなかでも、不動産と同じように安定的に収入を得ることができるものは多くありません。
長期的に、かつ安定した不労所得を得られることは、不動産投資の大きなメリットです。こうした安定収入を実現するために、当グループでは『住みたい街』よりも『住みやすい街』に着目することで高い入居率を実現しているのです」