今回は、日本人が投資に消極的な理由について見ていきます。※本連載では、多数の著作を持つ評論家・パーソナリティとして知られる鶴蒔靖夫氏の著書、『信頼が絆を生む不動産投資』(IN通信社)から一部を抜粋し、老後の生活に備えるための資金作りの選択肢としての不動産投資について解説します。

日本政府の「貯蓄から投資へ」の掛け声もむなしく・・・

資産を上手に運用するためには、積極的な投資が必要だ。

 

実は、日本政府も資産運用を推奨している。1980年代に政府が「貯蓄から投資へ」というスローガンを掲げたのも、国民の老後資金がたりなくなることを危惧してのことだ。そこで、自助努力で老後の備えをする必要性を訴え、積極的に投資をするよう呼びかけたのだ。もちろん、国民の多くが貯金ではなく投資などで資金運用をすれば、家計から企業への資金供給が拡大し、起業や新産業の育成が促進され、日本経済の成長につながるという思惑もあったのだろう。

 

しかし、このスローガンが掲げられて30年以上が経ってなお、日本ではこの呼びかけの効果が出たとは言えない状況が続いている。政府も、少額投資非課税制度(NISA)などの制度を導入して、盛んに投資を後押ししているものの、家計の金融資産残高は2017年6月末時点で過去最高の1832兆円にのぼるなど、依然として預貯金に偏重していることがわかる。

 

日本銀行が発表した「資金循環の日米欧比較」によれば、2017年3月末時点の家計の金融資産構成で、日本の「現金・預金」の割合は51.5%と半数を超える。これは主に高齢者による貯蓄性向の表れだという。一方、アメリカの「現金・預金」の割合は13.4%、ユーロエリアは33.2%となっている。

 

逆に、債券や投資信託、株式といったリスク商品の割合は日本が最も少なく、合計でも16.8%にすぎない。30.6%のユーロエリア、52.4%のアメリカに比べると、日本の現金至上主義は際立っていると言えるだろう。

 

マイナス金利が先行しているヨーロッパでは、徐々にではあるが預貯金からリスク商品へのシフトが見られるのに対し、日本ではほとんど動きがない。マイナス金利の導入により、銀行にお金を預けておいても資産を増やすことは難しくなったにもかかわらず、投資などの積極的な運用をしない人が相変わらず多いのだ。

 

だが、いわゆるタンス預金は、盗難や火災などで資産を失ったとしても補償されないため、リスクが非常に大きい。また、金融機関への預金の場合には、「ペイオフ制度」があるため、仮に銀行が破綻した場合でも、預金している額のうちの1000万円と、その利息部分は保障されるが、1000万円を超える部分は保障されないことを考えれば、1000万円以上を銀行に預けることには、まったくメリットがないということになってしまう。

日本国民に刷り込まれた、投資へのマイナスイメージ

やはり、老後のために資産を増やしたいのであれば、貯蓄の一部を投資にまわすしかない。積極的な投資を行うことで、年金だけでは不足する分を補填するわけだ。

 

もちろん、投資にはリスクもついてまわるため、あくまでも自分の生活に見合った範囲で、無理なく行うことが鉄則だ。

 

多くの日本人が投資に消極的なのは、バブル経済の崩壊時に、「投資は怖い」「素人が手を出すと大損する」といったマイナスイメージが、多くの国民の頭に植えつけられてしまったからだと思われる。また、投資に対する知識の欠如も、投資へのハードルを高くしている要因のひとつだと言えるだろう。資産運用に関心はあっても、「投資について理解するのが難しい」「納得して資産をつぎこめる商品を見つけることができない」という人は案外多いものだ。

 

だが、すでに時代は変わったのだ。今後も当分のあいだは金利の上昇が見込めない以上、なんの計画もなく、ただ金融機関に資産を預けておくだけでは、資産を守れない。より積極的な行動こそが、自身の老後の生活を守ることへとつながっていると言えよう。まさに時代は「貯蓄から投資へ」の変革の時を迎えたのだ。

信頼が絆を生む不動産投資

信頼が絆を生む不動産投資

鶴蒔 靖夫

IN通信社

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