多くの企業は、採用対策の「優先順位」を間違えている
目指すべきは、「効率的な採用」です。質の高い母集団を集めることができれば、その後の流れにも好循環が生み出されます。最初から理念に共感しているので、自然とミスマッチが減り、離脱の可能性が下がるためです。
採用の課題としては、人を集めることに加えて、「選考過程」と「内定後」という2つの時点における離脱を意識する必要があります。この2種類の離脱をいかに防止できるかが、人材獲得の最終的な成否を分けることになるのです。
採用の流れからしてみれば、「人を集める」「選考過程に参加してもらう」「内定承諾を得る」という順番となりますが、これらを同じような流れで対策しようとするのは得策ではありません。
多くの企業では、採用の流れに沿って対策を講じています。人を集めるための対策、参加してもらうための対策、内定承諾を得るための対策、です。
「内定承諾」→「採用活動への参加」→「人を集める」
しかし、こと効率という点から考えると、このような対策の順序は正しくありません。むしろ優先順位は逆です。なぜなら、母集団からの流れを重視して採用を進めると、かえって手間が煩雑になるからです。実際、集めることに労力をとられ、離脱や辞退を防げない、という声をよく聞きます。
不特定多数の人にアプローチするよりも、内定を出した特定の人にアプローチするほうが容易なのは自明です。時間も労力も後者のほうが明らかに少なくて済むのです。
人を集めることばかりに注力して、せっかく内定を出すことができた人を逃してしまっては本末転倒です。最終的な採用人数が少なくなってしまっては意味がありません。またMOSEALSモデルに従って考えれば、内定承諾に向かうほど自社への共感度を上げていく必要があるため、重視すべき点は採用フローの後半に向かうほど高めていくべきなのです。
対策の順番としては、「内定承諾」「採用活動への参加」「人を集める」というように、川下から行うことを意識するようにしてください。