採用におけるベストプラクティスを導き出す方法
採用は「マーケティング・ミックス」の発想を大いに利用することができます。具体的には、いわゆる「Integrated Marketing Communication(IMC:統合型マーケティング・コミュニケーション)」の考え方が、そのまま採用シーンにも活かせます。しかし残念ながら、この発想で採用活動を行っている企業はほとんどありません。
例えばマーケティング・ミックスでは、さまざまな施策を最適な組み合わせでどのように実行できるか、という点が問われます。マスメディア(テレビ・ラジオ・雑誌・新聞など)とインターネットメディアとのバランスを考慮することなどは、まさにマーケティング・ミックスの典型的な事例です。
それと同様に、採用においてそれぞれの施策をいかなる組み合わせで実行すればいいかということを、採用ターゲットおよび自社のコンセプトを軸に考えていく必要があり、それにより、採用におけるベストプラクティスが導き出されます。
コンセプトから逆算し、最適なアプローチを考案する
難しく考える必要はありません。これは商品やサービスを販売する際のマーケティングと同じです。
あらゆる商品やサービスをマーケティングの観点から検討してみましょう。それらはターゲットや市場、コンセプトから逆算することで、最適なアプローチ(コミュニケーション手法)が考案されています。
採用活動においても同様です。個々の戦術をむやみに実行したり、コンセプトがないまま惰性で行ったりせず、戦略をもって最適化すればいいのです。
そうすることで、採用市場における企業の「ブランディング」を行っていくことができます。ただし、こう書くと、「ではどのようにメディアやイベントと各ツールを組み合わせればいいか」というように細かい手法を考えがちですが、それは時期尚早です。
まずはコンセプト。それに沿って、どんなメディアにすべきか。イベントに出るべきか。どんなツールにすべきか。それらをどのように組み合わせるべきかということをブレイクダウンしていくのが、遠回りのように見えて近道になります。それらについては後ほど詳しく解説します。