メガネ店でも活用される「オートレフラクトメーター」
あなたは自分の目の度数を測ってもらったことがありますか?
そう聞かれて、「あるような、ないような・・・」と考える人もいるかもしれません。しかしメガネ店に行ってメガネを作ったことがある人や、眼科を受診したことがある人なら、一度は目の度数を器械で測定しているはずです。
どれがその器械かはわからなくとも、なにやら器械に顎をのせて、「気球が見えますか? 見えたらそこをじっと見ていてください」といわれたことを覚えているのではないでしょうか? それが目の度数計測の器機です。その器械は、「オートレフラクトメーター」といいます。
このオートレフラクトメーターは眼科だけでなく、どのメガネ店さんにも必ず1台はある器械です。メガネの度数を測るには、必ず必要だからです。逆にメガネの度数を決定するには、これさえあれば多くの場合に事足ります。
眼内レンズの選択には「光学式生体計測装置」等も利用
しかし眼内レンズ選択の際には、オートレフラクトメーターで遠視や近視、乱視を簡単に検査するだけではなく、その他多くの検査を行います。代表的なものが目の長さを正確に測定する光学式生体計測装置です。
これは角膜から網膜までの目の長さを100分の1㎜単位で正確に測定することで、白内障手術で挿入する眼内レンズの計算を行うことができます。以前は超音波で眼軸を測定する器機が主流でしたが、現在では赤外線にて測定する光学式の器機が主に用いられています。
特に多焦点眼内レンズを用いた白内障手術を行うには、眼内レンズの度数計算を行う眼軸の測定には寸分の狂いも許されません。そこで私のクリニックでは、2014年12月に光学式生体計測装置であるIOLマスター・モデル700を導入しました。
この器機では、最先端のOCTテクノロジーであるスウェプトソースを用いて眼軸を計測することにより、これまでの器機よりもさらに正確に眼軸を測定することができます。
また、今まで測定しにくかった進行した白内障に対しても正確に測定できます。さらに私のクリニックでは角膜のカーブを精密に検査するために、先進医療である前眼部OCT器機、SS―1000Casiaを導入しています。この器械は通常の検査器機で測定できる乱視だけでなく、角膜の全範囲カーブを測定したり、角膜のあらゆる部位の厚みを測定でき、角膜から水晶体までの距離も測定できます。
この前眼部OCT器機では円錐角膜などの疾患の鑑別にもたいへん有用なので、白内障手術やレーシック手術の術前検査としてほぼ必須となっています。