レーザー白内障手術のメリットを確信するも・・・
前回の続きです。この経験から私は、どんなときでも安定して確実な結果が出せることを、手術に求める気持ちが一層強くなりました。「手術は安定性がすべて」と考えるようになったのです。
レーザー手術をいつか導入することはすでに決めていましたが、「レーザー白内障手術こそがきっと、患者さんにとってメリットの大きい理想の手術をもたらしてくれる」と確信するようになったのです。
とはいえ、当時日本にレーザー白内障手術を行っている眼科施設はなく、だれもレーザー白内障手術を行ったことはありませんでした。したがって、も96しレーザー白内障手術を日本で初めて行おうと思ったら、すでにレーザー白内障手術を行っている海外の病院に研修に行くしかありませんでした。
レーザー白内障手術の大家、ローレス先生のもとへ
そこで私は2012年のある日、オーストラリアの先生に連絡をとりました。その先生とは、レーザー白内障手術の大家であるローレス先生です。ローレス先生は2011年にレーザー白内障手術にいち早く取り組み、おそらく当時すでに世界で最も多くのレーザー白内障手術経験をお持ちでした。
私は、「日本ではまだレーザー白内障手術をだれも行っていないが、私は日本でレーザー白内障手術を開始したい。ぜひあなたの施設でレーザー白内障手術について教えていただきたい」というメッセージを送りました。ローレス先生はたいへん寛大な方で、日本人の患者さんたちがレーザー白内障手術の恩恵を受けられるためなら喜んで協力します、と言ってくれました。
その連絡を受けた私は、すぐにいくつかの仕事をキャンセルしてオーストラリアに飛び、ローレス先生のもとを訪ねました。そこではレーザー白内障手術の理論や技術を、短期間に集中して学ぶことができました。
見学中にはオーストラリアの地元の新聞社がクリニックに取材にきて、日本の眼科医がレーザー白内障手術を始めるためにはるばるオーストラリアを訪れていることを記事にしてくれました。
そして2012年6月、日本で初めてレーザー白内障手術器機を導入し、日本第一例のレーザー白内障手術を成功させたのです。