手術は確かに怖いことだが･･･

白内障手術を受けるときには、いろいろな不安や怖さがあると思います。しかしその多くは心配のないものです。

たとえば、白内障手術を受ける患者さんたちから、「手術中にまばたきはできますか？」「手術中に自分の目が動いてしまうと手術はできないのでしょうか？」というご質問を受けることがあります。手術中に普通のまばたきをしても手術に支障はまったくありません。また、多少目が動いても手術は十分に可能ですので、ご安心ください。

また、「手術中に手術で使用する器械が近づいてくるのが見えますか？ 見えると怖いのですが・・・」と聞かれることもあります。手術は眼科用の手術顕微鏡を使って行いますが、この顕微鏡には照明がついており、患者さんは少しまぶしく感じますが、手術用の器械が目に近づいてくるのが見えることはありませんので、これもご安心ください。

白内障手術は苦痛の少ない、短時間の手術です。手術はたしかに怖いことですが、これらの質問のような心配はありません。

適切な時期に手術をすれば、合併症のリスクも軽減

手術と聞けば誰でも怖いので、できれば手術はしたくない、あるいは先延ばしにしたい気持ちを優先したいことは理解できます。

しかしどんな病気も、適切な時期に治療を受けることが重要です。タイミングを逃すと、逆に手術の合併症のリスクが急激に増加するからです。白内障手術も例外ではありません。白内障手術は比較的安全な手術ですが、白内障が進行すればするほど、合併症のリスクが上がっていきます。白内障手術には適切な時期があり、その時期を逃すと良い結果が得られないことがあるのです。

白内障で見にくくなっている自覚が多少あっても、日常生活を送ることは可能です。しかし先述のとおり、症状が少ないまま白内障が進行することがあるので、気づいたときにはかなり悪化している場合があります。その場合には手術はかなり難しくなり、合併症のリスクが増加します。そのようにならないために、適切な時期に白内障手術を受けていただきたいと思います。