どちらも「物が見にくい」症状が現れるが・・・
最も代表的な白内障の症状はもちろん「見にくさ」、つまり視力低下ですが、では「見にくさ」を感じなければ白内障ではないかというと、そういうわけではありません。
目の中でレンズの役割を果たす水晶体は、外からの光を通し屈折させるだけでなく、レンズの焦点を変化させることで見る距離の焦点を合わせます。このピントを合わせる機能は、加齢に伴って次第に低下します。これがいわゆる「老眼」です。
老眼の症状はさまざまです。例えば、以前より手元の文字が見づらくなった、あるいは若い頃よりも遠くも手元もすべての距離が見づらくなった、いままでのメガネをかけると以前は見えていた手元が見えない、などです。
「見にくさの原因」を自分で判断するのは困難
ただしこれらは、白内障でも起こりうる症状です。つまり老眼のような症状があった場合に、白内障の進行によってその症状を自覚している場合があります。
テレビが見づらくなった、車の運転をしていて標識や信号が見にくくなった、など視力の低下を感じたとき、それが老眼からきているのか、それとも白内障のせいなのか、さらには他の病気からきているのか、自分で判断することはなかなかできません。
目の病気のあるなしにかかわらず、見え方が変化した、不便になったと感じたとき、それが老眼の兆候であることもありますが、白内障である可能性もあるのです。見え方が悪いのでメガネを作ろうとメガネ屋さんに行ったら、メガネをかけても視力が出ないので眼科を受診するよう勧められることがあります。それはこのような理由なのです。