バブル崩壊前、株価の下落を承知していた銀行員たち
平成という時代が終わりを迎えるにあたり、
さまざまな振り返りが行われています。
平成を彩る銀行の商品群にも、
中小企業が泣かされた、数々の「だましの履歴書」が、
あるのです。
だましファイル①
平成元年からバブル崩壊まで
「株価下落を承知で株式取次業務を拡大!」
一昨年あたりから、元銀行員による、
バブル期を振り返る書籍が多数出版されました。
共通するのは、バブル崩壊を前に、
株価の下落を承知で株式売買の取次を進めていた、
ということです。つまり、
株価下落は一時的で、またすぐに上がるだろう、
という楽観的な思惑を、どの銀行員も抱いていたのです。
価格の下落を知りつつ、土地や株式を売りつけて・・・
バブル期「不動産の価格が上昇しすぎだ!」
という事態を受けて、1990年、大蔵省は銀行に対して、
不動産業への融資制限をかける、総量規制を断行しました。
この急ブレーキが、バブルを一気に崩壊させる原因となった、
と言われています。
1991年のバブル崩壊です。
総量規制で不動産業への融資を規制された銀行は、困りました。
大口の融資先への貸付を、止められたのですから。
そこで目を向けたのが、ノンバンクへの融資です。
いわゆる、消費者金融です。
で、消費者金融を通じて、個人や法人に、
バブル崩壊のギリギリまで、株式や土地を売りつけていたのです。
つまり、総量規制とはいうものの、
銀行法に触れないノンバンクを迂回して、
同じことをやっていたわけです。
しかも、もはや価値が下落することを知りつつ、
うま味を得ることや、手元のババを手放すため、
崩壊ギリギリまで、顧客に売りつけていたのです。
その頃、
銀行にそそのかされて株式や土地を買った個人や法人は、
気の毒としか、言いようがありません。
買い手にとって、バブル崩壊後に残ったのは、
多額の借入金だけです。
倒産・廃業に追い込まれた中小企業が、続発したのです。
で、そのあおりを受けて、
家族が一家離散になる、ということが頻発したのです。
詳しくは書きませんが、私もその一人なのです。
平成の30年は、バブル崩壊から始まりました、
この30年の間に中小企業を苦しめた、
銀行による数々のだまし商品を、振り返ってゆきたいと思います。