不動産投資や賃貸経営に長けているイメージがあるが…
例えば不動産会社の営業担当者から「必ず儲かる新築ワンルームマンションがあるので、投資しませんか」と言われたとします。賢い方であれば「本当に儲かるのであれば、当然あなたも購入しているんでしょう?」と問うことでしょう。しかし、担当者のほとんどは新築ワンルームマンションを購入していません。
個人的な話で恐縮ですが、私は週に2~3回はフィットネスジムに通っています。ウエイトトレーニングが趣味ということもありますが、良い仕事をするためには健康でなければならないと考えているのが大きな理由です。
ジムにはトレーナーが在籍しており、個別指導を受けることもできるのですが、私は一度も利用したことがありません。
それは、トレーナーの体つきが今一つだからです。多くのジムには専門のトレーナーが在籍していますが、マニュアルに沿って器具の説明だけを担当するアルバイトというケースも少なくありません。
そのようなトレーナーからベンチプレスの指導を受けても説得力がまるでなく、効果は期待できないでしょう。やはりトレーナー自身が体を鍛え上げ、その実体験を語れるようでなければ机上の空論でしかないのです。
ダイエットや美容の体験談など、世の中には似たような話が多くありますが、不動産投資や賃貸経営も同様だと考えています。
不動産会社(厳密には宅地建物取引業者、以下、宅建業者)およびその各営業担当者は、一般的には不動産に関してあらゆる知識を有しているため、不動産投資や賃貸経営に長けている印象を持つかもしれません。あるいは宅地建物取引士(以下、宅建士)の資格があれば、不動産に関して一定の知識は持っていると思われます。
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不動産投資のノウハウと、宅建業者に必要な知識は別
では、不動産のプロである宅建業者や宅建士は不動産“投資”のプロと言えるのでしょうか。
答えは「否」です。不動産投資のノウハウと宅建業者に求められる知識は、まったく別ものだからです。
不動産取引としての重要事項説明項目の調査や各種権利関係調査などは、どの宅建士でも実務経験があれば一定のレベルで対応できます。しかし、不動産投資を行うに際し必要な知識レベルには差が出てきます。物件を購入すべきかどうかの投資判断、賃貸マーケットの見極め、運用中の支出想定などは、宅建士だからといって全員が長けているわけではないのです。
宅建士は不動産取引のプロではありますが、不動産投資のプロとは必ずしも言えません。
やはりその担当者や会社が実際に不動産投資を行っているかどうかが一つの目安です。多くの不動産業界関係者は不動産投資の経験を有していません。収益不動産を専門に扱う宅建業者であってもです。実体験が伴っていなければ、机上の空論と同じで、投資家目線で物事を見ることができません。
例えば、コスト感覚について考えてみてください。収益物件は、保有期間中にさまざまなコストがかかります。固都税や管理手数料などのほか、排水管洗浄の実施期間、一定規模の共同住宅は特殊建築物扱いとなり別途法定点検が必要になるなど、実際に運用していなければ分からないことも多くあります。
こうしたコスト感覚がないと「表面利回りが高いのでお勧めですよ」という話になりますが、実際には表面利回りには意味がなく、運営費用などを引いた総収益率が大切なことはすでに述べたとおりです。実際に身銭を切って不動産投資・賃貸経営を行っていると、運用中のコストが経験として分かり、投資家の考えや思いが理解できるのです。
そのほか、賃貸経営での確定申告・決算の実体験があるとないでは、賃貸経営における税金の重さの理解度に大きな差が生じます。
私自身、収益不動産を活用した資産運用コンサルティング会社を立ち上げたのは、実際に投資をした結果、うまく物件を取得して運用し、税金を含めたトータルマネジメントによって資産を築いたという体験があったからです。少しでも多くの方に、私と同じように不動産投資で成功し、経済的安定を得ていただきたいと考えたからです。
不動産投資の成功のポイントは、良きパートナーに巡り合えるか否かにかかっています。パートナー選びの際には、候補の会社・担当者の不動産投資の経験を確認することが大切です。
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