RC造住宅の耐震性を担保する「壁式構造」の概要

前回は、木造・鉄骨造との比較で見る「RC造住宅」の性能を取り上げました。今回は、耐震性を担保する「壁式構造」について見ていきます。

日本で多く建てられている「ラーメン構造」の特徴

RC造住宅が耐震性に優れている理由の一つに、建築物としての構造の違いがあります。建物の構造には「ラーメン(Rahmen)構造」(※Rahmenはドイツ語で額縁の意)と「壁式構造」の2種類があり、「ラーメン構造」は柱や梁などを組み上げて駆体を支える方法、「壁式構造」は四方の壁と床、天井という6枚の板を組み合わせて支える方法となります(図表参照)。

 

[図表]壁式構造とラーメン構造の違い

 

現在、日本の住宅の多くは「ラーメン構造」で建てられています。木材や鉄骨で骨組みを造ったあとは壁や床、天井などに軽量のパネルをはめ込むだけなので、比較的簡単に高層階の建物が建てられます。また、リフォームの際に2部屋を1部屋にしたり、吹き抜けを造ったりと間取り変更の自由度が高いという利点がありますが、揺れによる力が梁や柱の接合部分に集中するため、巨大地震の揺れには弱いという特性があります。

耐震性だけでなく、防音・断熱にも優れた「壁式構造」

一方の「壁式構造」は、主に中層以下の建物に用いられる構造で、RC造の一戸建てはほとんどがこの工法です。壁面と床を一体成形することで、耐震性に加え、防音性や断熱性にも優れていますが、リフォーム時の自由度には制限があります。

 

ラーメン構造でも頑丈な住まいを建てることはできますが、壁式構造のRC造のほうが「耐震性」という面では優れています。

 

実際、過去に日本で発生した大震災の際にも、RC造で倒壊・崩壊したケースはまれにしか見られていません。地震のリスクを低減させるには、RC造の「壁式構造」に勝る工法はないと考えてよいでしょう。

株式会社サンオリエント 代表取締役 一級建築士

岡山県倉敷市出身。1969年生まれ。
1987に岡山県立水島工業高校建築科卒業後、10年間大手建設会社にて現場監督、施工管理などを担当。退社後、独立行政法人国際協力機構の青年海外協力隊としてミクロネシア連邦、ブータンへ派遣され、建築指導に従事。2003年に株式会社サンオリエントを設立、代表取締役に就任。マンションや病院などの設計・施工管理の経験と実績をもとにしたRC造住宅の建築を得意とするほか、RC造と木造のハイブリッド住宅や木造住宅など、顧客の希望をもとに快適性と実用性を兼ね備えた住宅を提供している。
また、結露やカビの発生を防ぐ「遮熱材」や埃などの有害物質を吸着してシックハウス症候群を防ぐ新建材を使用するなど、クリーンかつエネルギー効率の良い空間づくりを追求。海外の活動で得た広い視野を持って、前例にとらわれない最高の家造りを目指している。

著者紹介

連載コンクリート建築のスペシャリストが教える「RC造住宅」の魅力

安心・快適な家を手に入れたい! 鉄筋コンクリートでマイホームを建てる

安心・快適な家を手に入れたい! 鉄筋コンクリートでマイホームを建てる

磯崎 慎一

幻冬舎メディアコンサルティング

美術館やランドマークなどに使われ、高いデザイン性が認められながらも、「部屋に熱がこもりそう、寒そう」というイメージが強い鉄筋コンクリート造の住宅。 しかし実際には「夏は涼しく、冬は暖かい」という優れた居住性があ…

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