日本で多く建てられている「ラーメン構造」の特徴
RC造住宅が耐震性に優れている理由の一つに、建築物としての構造の違いがあります。建物の構造には「ラーメン(Rahmen)構造」(※Rahmenはドイツ語で額縁の意)と「壁式構造」の2種類があり、「ラーメン構造」は柱や梁などを組み上げて駆体を支える方法、「壁式構造」は四方の壁と床、天井という6枚の板を組み合わせて支える方法となります(図表参照)。
[図表]壁式構造とラーメン構造の違い
現在、日本の住宅の多くは「ラーメン構造」で建てられています。木材や鉄骨で骨組みを造ったあとは壁や床、天井などに軽量のパネルをはめ込むだけなので、比較的簡単に高層階の建物が建てられます。また、リフォームの際に2部屋を1部屋にしたり、吹き抜けを造ったりと間取り変更の自由度が高いという利点がありますが、揺れによる力が梁や柱の接合部分に集中するため、巨大地震の揺れには弱いという特性があります。
耐震性だけでなく、防音・断熱にも優れた「壁式構造」
一方の「壁式構造」は、主に中層以下の建物に用いられる構造で、RC造の一戸建てはほとんどがこの工法です。壁面と床を一体成形することで、耐震性に加え、防音性や断熱性にも優れていますが、リフォーム時の自由度には制限があります。
ラーメン構造でも頑丈な住まいを建てることはできますが、壁式構造のRC造のほうが「耐震性」という面では優れています。
実際、過去に日本で発生した大震災の際にも、RC造で倒壊・崩壊したケースはまれにしか見られていません。地震のリスクを低減させるには、RC造の「壁式構造」に勝る工法はないと考えてよいでしょう。