▲トップへ戻る
RC造住宅の室内を適温に保つ「リフレクティックス」とは?

前回は、木造住宅とRC造住宅の「断熱・遮熱」について説明しました。今回は、RC住宅の外遮熱を実現する「リフレクティックス」について見ていきます。

遮熱塗装は、費用対効果の面でも疑問符が・・・

建物の遮熱というと、最近では遮熱塗装の宣伝をよく見かけます。大手塗料メーカーなどからも提供されていますが、実際の効果については疑問符がつきます。メーカーのホームページなどを見ると、遮熱塗装には主に赤外線を反射する効果があると謳うたわれています。一般的な塗料の反射率は20〜30%なのに対し、遮熱塗料は60〜80%を反射するとメーカーは解説しています。

 

私の会社では、実際の効果を確認しようと遮熱塗装した鋼板を電気ストーブで温めたことがあります。ところが某メーカーの塗料では、鋼板の表面(塗装した側)は確かに熱くならなかったのですが、裏側は触れられないほどの高温になっていたのです。

 

住まいに当てはめると裏側は屋内になりますから、屋根や壁への遮熱塗装では、表面は確かに熱くならないものの室内には熱が通ることになるのです。それどころか、この熱は遮熱材の作用によって屋外に放射されません。遮熱塗装が輻射による放熱を邪魔するので、むしろ夏は暑く、冬は寒くなることが考えられるのです。

 

また、遮熱効果があるとされる塗料は一般的に価格が高く、単位面積あたりで比較すると、アクリル塗料やウレタン塗料の2倍程度となります。汚れると反射効果が低減するので、2〜3年おきに家全体を洗浄する必要があるうえ、15〜20年程度で劣化するため塗り直しも欠かせませんから、費用対効果の面でも遮熱塗装には疑問符がつきます。

外からの熱の遮断に有効な「リフレクティックス」

私の会社では「外遮熱」を実現する方法として「リフレクティックス」という特殊な部材を使用しています。同製品を提供するメーカーの技術は強烈な電磁波を受ける宇宙船や宇宙服の反射絶縁材としても採用されているほどで、反射率を見ても、例えば屋根によく使われるスレートは8〜10%、木材は2〜10%、タイルは5〜15%程度であるのに対し、リフレクティックスは99%と群を抜いています。

 

また、実際に最高品質とされている有名メーカーの断熱材で覆った箱とリフレクティックスで覆った箱を電気ストーブで熱するという実験を行ったところ、実験開始から30分後の内部温度には、断熱材で9.3℃の上昇、リフレクティックスで2.8℃の上昇がみられました。電気ストーブと箱は少し離して置いてあったため、伝導や対流で熱は伝わりません。伝わるのは輻射熱だけです。

 

さらに1時間後には、断熱材が6.1℃、リフレクティックスが1.5℃上昇。断熱材で覆った箱の内部が38.9℃になったのに対し、リフレクティックスは27.8℃にとどまったのです。

 

[図表]発泡系断熱材とリフレティックスの違い

 

室内で考えると、断熱材で囲まれた部屋は熱中症になる危険すら感じる空間です。快適に暮らすためには高性能のエアコンをフル稼働させる必要があるでしょう。また、夜になっても断熱材が蓄えた熱を室内に向けて輻射するので、エアコンを止めると猛烈な暑さに襲われます。

 

一方、リフレクティックスに包まれた部屋は少し暑いと感じる程度です。エアコンをつけなくても十分過ごせますし、蓄熱もないため夜になるとさらに温度が下がります。

 

実験中、箱の表面を触ってみても、それぞれの違いは明らかでした。熱を吸収する断熱材の箱は触っていられないほど高温になりましたが、リフレクティックスの箱はまったく熱さを感じませんでした。熱を空間に反射してしまうので、表面温度がまったく高くならないのです。

 

このリフレクティックスをRC造の建物で外壁の外側に施工すれば、箱の実験と同じように屋内から屋外、屋外から屋内の熱移動を抑えることができるのです。

株式会社サンオリエント 代表取締役 一級建築士

岡山県倉敷市出身。1969年生まれ。
1987に岡山県立水島工業高校建築科卒業後、10年間大手建設会社にて現場監督、施工管理などを担当。退社後、独立行政法人国際協力機構の青年海外協力隊としてミクロネシア連邦、ブータンへ派遣され、建築指導に従事。2003年に株式会社サンオリエントを設立、代表取締役に就任。マンションや病院などの設計・施工管理の経験と実績をもとにしたRC造住宅の建築を得意とするほか、RC造と木造のハイブリッド住宅や木造住宅など、顧客の希望をもとに快適性と実用性を兼ね備えた住宅を提供している。
また、結露やカビの発生を防ぐ「遮熱材」や埃などの有害物質を吸着してシックハウス症候群を防ぐ新建材を使用するなど、クリーンかつエネルギー効率の良い空間づくりを追求。海外の活動で得た広い視野を持って、前例にとらわれない最高の家造りを目指している。

著者紹介

連載コンクリート建築のスペシャリストが教える「RC造住宅」の魅力

 

安心・快適な家を手に入れたい! 鉄筋コンクリートでマイホームを建てる

安心・快適な家を手に入れたい! 鉄筋コンクリートでマイホームを建てる

磯﨑 慎一

幻冬舎メディアコンサルティング

美術館やランドマークなどに使われ、高いデザイン性が認められながらも、「部屋に熱がこもりそう、寒そう」というイメージが強い鉄筋コンクリート造の住宅。 しかし実際には「夏は涼しく、冬は暖かい」という優れた居住性があ…

 

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧