今回は、「大化け株」を事前に見つける「四季報」の読み方を解説します。※本連載では、株式会社リーブル 代表取締役・坂本彰氏の著書、『「小売お宝株」だけで1億円儲ける法』(日本実業出版社)より一部を抜粋し、「小売お宝株」の魅力を解説していきます。

変化が起こりはじめたとき=保有のベストタイミング

株価が大きく上昇する局面というのは相場全体が上昇するタイミングだけではなく、「企業の業績が好調」「マーケットの予想以上の好業績が発表される」「赤字から黒字、さらには業績拡大の転換点」など、いくつかのパターンが存在します。

 

業績好転という機会は頻繁に発生するものではありません。また、みんなが気がついたあとで手を出しても利益を膨らますことはできません。上がり切った株価で買ってしまった場合、むしろ株価が下がり、含み損となることもあるでしょう。

 

そのため、変化が起こりはじめたときに保有するのがベストなタイミングなのですが、それを見分けるヒントになるのが四季報の記事欄です。業績が好調であればもちろん好材料ですが、それに加えて予想を上回るポジティブサプライズがあれば、さらに株価は上がるはずです。

 

ここからは、株価が急騰する5つのサプライズを理解することで、大化け株を事前に見つける方法を紹介していきます。

「独自増額」「過小」「上振れ余地」などの表現に注目

●株価急騰のサプライズ①利益の増額、上方修正

 

四季報の業績予想数字は、独自予想に基づいたものです。それぞれの会社が決算短信で発表している業績予想と同じ場合も多いのですが、会社予想数字と四季報の予想数字に差異がある場合、記事の本文やタイトルに「独自増額」「過小」「上振れ余地」「保守的」などの表現で記載されています。ここに注目してください。

 

これを見つけることができた場合、他の人よりもはやく、好業績発表、上方修正をする銘柄を見つけることができます。

 

他にも、四季報は3か月ごとの発売なので、前号に発表した予想数字と比べて変動している会社があります。前号に比べて最新号の業績予想が伸びている会社は、利益が増える可能性があるため、もちろん株価上昇のチャンスになります。実際に私も保有銘柄を決定する際、業績予想の変化や伸び率の高さを重視しています。前号の予想と今号の予想を比較すると、これから伸びる企業を探すこともできます。

 

●株価急騰のサプライズ②株式分割

 

株式分割は分割割合に応じて株数が増えますが、その分、株価も減少するので実質的な価値は同じです。しかし、株式分割を発表することで世間の注目度が高くなることや、分割により購入単価が下がって流動性が高まること、そして配当金が実質的に増加する企業もあるため、株価上昇要因のひとつと考えることができます。

 

基本的に株式分割は突然発表されますが、四季報では株式分割が発表される確率を3段階で提供してくれています。株式分割の可能性がある企業については、「資本移動欄⑩」でA、B、Cといったランクで表示されています。Aは公約などで会社が名言しているもの、Bは独自取材の結果、業績や株価水準、流動性から確度が高いと考えられる場合、Cは独自取材の結果、可能性が考えられるものを表しています。

 

私の経験上、過去に株式分割をした株価水準まで再び上昇してきた場合、再度株式分割を発表するというケースが多いと感じています。過去に実施した株式分割の履歴は資本移動欄で確認できるので、「当時の株価はいくらなのか?」ということを現在の株価と照らし合わせてみてください。

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    本連載は、2016年12月10日刊行の書籍『「小売お宝株」だけで1億円儲ける法』(日本実業出版社)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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