前回に引き続き、「大化け株」を事前に見つける「四季報」の読み方を解説します。今回は、株主優待について見ていきましょう。※本連載では、株式会社リーブル 代表取締役・坂本彰氏の著書、『「小売お宝株」だけで1億円儲ける法』(日本実業出版社)より一部を抜粋し、「小売お宝株」の魅力を解説していきます。

商品券など、換金性の高い「株主優待」に人気が集まる

●株価急騰のサプライズ⑤株主優待の新設

 

株主優待を新たに実施する会社、また優待内容を充実させる会社が増えていることは説明しましたが、このような会社は買い材料になります。配当金の利回りと株主優待の利回りを合わせたものを総合利回りといいますが、これが高くなると注目度が増えます。特に人気の株主優待は、自社商品券の新設や商品券など換金性が高いものが多いです。

 

小売業は自社商品券を作りやすいことがメリットですし、これを作ることで株主が顧客に、さらにはリピーターとなり、お互いにとってプラスの相乗効果が生まれます。四季報のなかに、株主優待が新設される可能性のある企業についての記事欄は今のところありませんが、次の2点に当てはまれば、今後株主優待が新設される可能性があるので注目してみてください。

 

◆株主優待がない小売業

◆配当性向が30%以下の企業

 

現在、日本の上場企業の配当性向は平均30%弱となっていますが、これより低い配当性向の企業は、よほどの高成長企業でないかぎり、機関投資家や株主から配当性向を上げるよう要求されているはずです。株主総会でも株主が配当金に関する質問を取締役にするケースが多々ありますが、配当が低い事実を回避するため、今後企業が株主優待を新設する可能性があるでしょう。

 

他にも、市場変更の条件のひとつである株主数を増やすために、株主優待を新設する会社も多くあります。株主優待は、機関投資家よりも個人投資家を中心に注目が集まるサプライズです。

好材料の発表により「知名度」が一気に上昇

●5つのサプライズと株価急騰の関係

 

私が5つのサプライズに注目している理由は、株価以外にも「売買高に影響が出てくる」からです。

 

好材料が発表されるということは、今まで知名度が低かった会社が大々的に新聞やニュースに取り上げられて、一気に知名度が上昇する機会になります。また、好材料のインパクトが大きければ大きいほど話題になり、多くの人が注目するようになります。

 

知名度が低い株式はそもそも保有している人が少なく、売り抜けて儲けようとするよりもずっと保有し続け、配当や値上がり益をじっくり狙う人が多いものです。毎日の値動きはかなり地味なので、値上がり益だけを血眼になって追いかけているトレーダーや機関投資家にとってみれば、狙う必要のない銘柄になります。つまり「持ちたい人だけが持っている」という性質があるのです。そんな地味な株式に、いいニュースが流れるとどうなるでしょうか?

 

需要(買いたい人)は一気に高まりますが、供給(売りたい人)が少ないため、株価はじわじわ上昇していきます。しかも、売りたい人が少ないため、需要の要望を満たし続けられないまま、株価はどんどん上がり続けます。売買高は増えるのですが、供給が追いつかず、株価が継続的に上がり続けるのです。

 

するとどうなるのか? 会社は株式分割をして、株数を増やします。そして、この株式分割もひとつのいいニュースとして、また株価急騰の材料となります。いいニュースが流れ続けるかぎり、この種の株というのは値上がりを続けるのです。

本連載は、2016年12月10日刊行の書籍『「小売お宝株」だけで1億円儲ける法』(日本実業出版社)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

「小売お宝株」だけで1億円儲ける法

「小売お宝株」だけで1億円儲ける法

坂本 彰

日本実業出版社

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