今回は、銀行融資の期間を決定する、収益物件の「法定耐用年数」について見ていきます。※本連載は、若きカリスマ経営者が教える金川顕教氏の著書、『初心者を代表して「不動産投資」について教わってきました!』(サンライズパブリッシング)の中から一部を抜粋し、不動産の投資対象を選択するポイントを紹介します。

法定耐用年数で「減価償却できる年数」が決まる

カナガワ君 それぞれの投資対象の特徴について、具体的に教えてくれませんか?

 

先生 まず大雑把に、次のような都市部と地方、新築と中古の違いを知っておこう。

 

[図表1]各物件の特徴

 

そのうえで、「都市部の新築・築浅物件」には、具体的に次のような特徴があるんだよ。

 

<メリット>

●客付けしやすい

●資産価値が高い

●融資を受けやすい

●長期の融資が可能

●メンテナンスなどの手間がかかりにくい

 

<デメリット>

●物件価格が高い

●利回りが低い

●家賃が急減しやすい

●ライバルが多い

●広告費が多めにかかる

 

カナガワ君 やっぱり古い物件よりも新しい物件に気持ちよく住みたいですよね! その意味でも、都市部の新築・築浅物件は入居者が獲得しやすくて、初心者でも始めやすいですよね。

 

先生 新築・築浅物件は銀行も積極的に融資してくれるから、銀行からの融資も受けやすいというメリットもあるんだ。また、長期の融資を受けられるのも大きなメリットといえるだろうね。

 

カナガワ君 長期の融資を受けられるのは、なぜですか?

 

先生 不動産投資用ローンの融資期間は、物件の築年数によるからなんだ。まず物件には、構造によって異なる「法定耐用年数」があるんだよ。

 

カナガワ君 法定耐用年数・・・。それは“建物の寿命”みたいなものですか?

 

先生 いや、「法定耐用年数」は“建物の寿命”とは関係がなく、「減価償却」できる年数を決めるもとになる年数なんだ。具体的には「法定耐用年数-築年数」で減価償却することができるんだよ。

 

カナガワ君 ちょ、ちょっと待ってください! 専門用語が多くてワカリマセン!

「減価償却」で毎年の利益を減らし、税額を抑える

先生 一つひとつ説明しよう。まず「減価償却」というのは、物件を買った金額を、その資産が使用できる期間にわたって費用配分することで、税金上のメリットがあるんだよ。たとえば4000万円の物件を買って毎年250万円の利益が得られるとしよう。「減価償却」という制度がないと、1年目の250万円の収入に対して4000万円の購入費用(経費)がかかり、1年目は赤字になって税金を払わなくて済むよね。だけど、2年目以降は毎年250万円の収入に対して税金を払わなくちゃいけなくなるんだ。

 

[図表2]

 

ところが、「20年にわたって減価償却できる」という物件だとしたら、一度に4000万円を経費計上するのではなく、“毎年200万円ずつ払った”ということにできて、20年にわたって経費を計上することができるんだ。

 

つまり、1年目の250万円の利益に対し、200万円の経費がかかり、最終的な利益は50万円のみになるんだ。

 

[図表3]

 

すると次のように、毎年の利益を減らすことができて、減価償却できる20年間、税金の支払いを抑えることができるようになるんだよ。

 

[図表4]

 

カナガワ君 税金面ですごくお得になりますね!

 

先生 そうなんだ。そして、最大どれくらいの期間を減価償却できるかは、「法定耐用年数」で決まっていて、これは建物の構造によって次のようになっているんだ。

 

●軽量鉄骨造      19年

●木造造        22年

●鉄骨造        34年

●鉄筋コンクリート造  47年

 

カナガワ君 この「法定耐用年数」は税務上で定められた期間でしかないといっても、しっかりとした造りほど期間が長くなっていますね。

 

先生 そうだね。先ほどいったように、金融機関が融資をしてくれる期間は、法定耐用年数−築年数となっているから、新築や築浅物件ほど融資期間は長くとれるケースが多いんだよ。

 

カナガワ君 たとえば築4年の木造アパートだと融資期間は18年、築8年のRCマンションだと融資期間は39年になるということなんですね。

 

先生 基本的にはそうなんだ。融資期間が長いと返済額は少なくて済むから、キャッシュフローが黒字になりやすいんだ。

 

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金川 顕教

サンライズパブリッシング

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