都市部の物件は「価格が高く利回りが低い」ものが多い
カナガワ君 メリットばかりの都市部の新築・築浅物件ですが、デメリットもあるんですか?
先生 新築・築浅物件の最大のデメリットは、やはり「物件価格が高い」ということだろう。物件価格が高いため、利回りは低くなりがちなんだ。
カナガワ君 え、なんで物件価格が高いと、利回りは低くなるんですか?
先生 まず「利回り」は、
利回り=家賃収入÷物件価格×100
という式で計算できるよね。たとえば物件価格が4000万円で家賃収入が200万円だった場合、
200万円÷4000万円×100=5%
となるよね。ところが、もし物件価格が5000万円と高くなったら、
200万円÷5000万円×100=4%
となる。つまり、「物件価格が上がると、利回りは下がる」んだ。
カナガワ君 一般的に都市部の物件は価格が高いものが多いから、そのぶん、利回りは低い物件が多いのか・・・。できれば、たくさんの家賃をもらえたほうが嬉しいですよね。
高利回り=物件価格を下げないと買い手がつかない!?
先生 利回りが低いということは、物件価格のわりに得られる家賃収入が少ないということだけど、「低い利回りでも買いたい人がいる人気物件」ということでもあるんだ。つまり、満室になりやすいから、「ちょっと高くて利回りが低くても買いたい人がいる」ということを表しているんだ。
カナガワ君 そっか。みんなが欲しがる人気物件だったら、オークションみたいに価格がどんどん上がって、利回りは下がってしまいますもんね。
[図表1]
先生 基本的には利回りは高いほうが有利だけど、「高利回り物件」は、価格を安くして利回りを高くしないと売れない不人気物件という可能性もあるんだ。
[図表2]
初心者は「利回り」ばかりに目がいきがちだけど、そのような事情があるかもしれないから、気をつけてほしいね。
<Point!>
不動産投資において、利回りは基本的に高い方が有利だが、低利回り物件は、価格が高くてもみんなが欲しがる人気物件、高利回り物件は、価格が安くないと欲しがらない不人気物件という側面もある。
先生 都市部や地方という視点で選ぶとき、「需給バランス」にも気をつけてほしいね。都市部は人口も多いけど、それだけマンションやアパートも多く、ライバル物件が多い。そのエリアに住みたい人よりも物件のほうが多かったら、当然、客付けするのに苦労するよね。
カナガワ君 入居者を獲得するために、広告費も多くかかってしまったりしますもんね。
<まとめ>
一般的に都市部の新築・築浅物件は価格が高くて利回りが低くなりがちだけど、それだけ人気物件でリスクが低いから満室になりやすい。
だから、入居者が獲得しやすくて、あまり手間やメンテナンスをかけずに家賃収入を得たい人には向いているタイプと言えるんですね。それだけ、目標設定と、実現するための投資手法を定めるのが大切なんだな~。