値動きの早い株式は、常に注視している必要が・・・
前回の続きです。
一方、株式投資には次のようなデメリットもあります。
デメリット1 元本保証がない
インフレへの強さは、あくまで株式市場全体を見た場合です。個別の企業で見れば、投資先が倒産してしまう可能性はゼロではありません。倒産してしまえば株式の価値は当然ゼロとなり、1円も残りません。
デメリット2 値動きが早い
株式の値動きは非常に早く、素人はもちろん、プロでも先読みが難しいといわれています。そのため、適切な売り時と買い時を見逃してしまいがちです。
最近の大きな動きとしてはリーマン・ショックがありました。2007年の日経平均終値は1万5307円でしたが、リーマン・ショック後の2008年には8859円と約42%も値下がりしています。
また、バブル崩壊時の1990年も前年の3万8915円から2万3848円へと大暴落しました。
とはいえ、医師にとってもっとも大きなデメリットは大暴落ではありません。株価は市場が開いている間、常に上下しているので、いつも注視していないと買い時も売り時も見逃してしまうということです。ただでさえ食事の時間もない多忙のドクターが、この動きについていけるはずがありません。
小遣い稼ぎはできても、資産形成ツールにはなりにくい
株価は企業活動によって変化します。一般に名前が知られていないような小さな企業でも、画期的な商品を開発したニュースが発表されれば、瞬く間に株価が上昇することは少なくありません。逆に安定経営を続けている大企業でも一度不祥事が発覚すればすぐに株価は暴落します。毎朝、新聞やテレビで情報収集をし、日中はネットで値動きをチェック―そんな時間が果たして医師にあるでしょうか。
しかも、株式市場は国内外の投資ファンド等による情報操作が当たり前の世界です。この動きについていけるのは、株式投資だけで生活が成り立つような知識豊富で時間的にも余裕がある専業トレーダーだけです。
株式投資は忙しい医師にとって年間数万円程度の小遣い稼ぎにはなっても、何千万円、何億円といった多額の資産形成ツールにはなり得ません。