自分に与えられた役割・責任を果たす強い意識をもつ
パソコンが普及する以前、世界中のコンピュータによるオンラインシステムは、センターに置かれた超大型コンピュータにぶら下がった端末から操作されるようにつくられていた。すべての処理は端末を通してセンターのコンピュータに送られ、その結果だけが端末に送られてくる。処理が集中するとセンターのコンピュータはパンク状態になり、長い間待たされることもあった。
そこへ登場したのが「自分で考え自分で処理する」端末、つまりパソコン(パーソナル・コンピュータ)端末である。パソコン(端末)はソフトを搭載しており、要求された処理は、ほとんど自分でこなしてしまう。そしてその結果だけを通信回線を通じてセンターのコンピュータに送るわけだ。
その結果、回線の負担も減るからシステム全体の処理速度も上がる。また、センターのコンピュータの負荷も減るから、データの管理や分析がリアルタイムでできるようになった。現在当たり前のように普及しているPOSシステムもこうした「自分で考え自分で処理する」端末のおかげと言える。
自立型社員は自分に与えられた役割・責任を果たす強い意識をもっているのだ。
上司のサポートも不要、部下のコントロールもできる
この「自分で考え自分で処理する」端末のイメージこそ、自立型社員といっていい。会社の業務を行ううえで、いちいち細かな指示を出さなくても、目標と目的に向かって前進していってくれるのが自立型社員だ。問題が起きれば自分で正しい解決法を模索し、きちんと解決したうえで、問題点と処理の結果を要領よく報告する。
自立型社員は上司のサポートもほとんど必要がないうえ、部下も効率的にコントロールしてくれるので、経営者から見れば最小の経費で最大の売り上げを達成してくれる頼もしい存在だ。普通は従業員の最低給料の3倍の粗利益額が出ないと、会社の経営は成り立たないといわれる。その点、私の経験では「自立型社員」と呼べる社員は、自分の給料の3倍以上の粗利を稼いでくれることもある。まさに会社の屋台骨を支えてくれる存在なのだ。
自立型社員
●自分に与えられた役割・責任を果たす強い意識を持っている
●自分の給料の3倍以上の粗利益額を稼ぎ出す
●仕事が楽しいため、疲れない
●ストレスを越えられる
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非自立型社員
●権利を主張するが責任は果たしていない
●指示されたこと以上に仕事をしようとしない
●失敗の原因探しはうまいが改善提案が無い
●会社や上司を批判するが、自分自身には甘い