前回は、不動産情報ポータルサイトのチェックボックスの項目から借り手が希望する条件を推測し、リノベーションに応用するテクニックを紹介しました。今回は、ターゲットである単身者に選ばれる賃貸マンションの特徴を説明します。

単身者向けは「25平米以上の1DK」にすべき

ここまで「狙い目は単身者向け」など、繰り返し単身者向けマンション、単身者向け賃貸住宅という言葉を使ってきた。読者の中には、そういわれても具体的なイメージがわかないと思った人もいるだろう。では「単身者向けマンション」とは、どんなものをいうのか。ここで簡単に説明しておく。

 

まず広さだが、私は専有面積が25平米以上あることが条件だと考えている。これだけの広さがあれば、6畳の居室に4・5畳のダイニングキッチンを付けてもトイレや浴室、収納を余裕で配置できる。

 

いわゆるワンルームマンションは、ほとんどが20平米以下だ。私の本業は工務店のおやじなので、ワンルームマンションの設計や施工を頼まれることも多い。そんなときは、なるべく知恵をしぼってキッチンやトイレ、浴室など水回りや、収納が犠牲にならないように工夫するが、なかなか難しい。20平米程度の大きさの中にすべてを詰め込もうとすると、やはりどこかに無理がくるのだ。

トイレと浴室は完全に別にするのが鉄則

たとえばワンルームではトイレと浴室を別にすることが難しくなってくる。そこでどうするかというと、トイレと浴室、洗面所が一体になったユニットバスと呼ばれるものを採用することになる。これはキッチン以外の水回りがひとつになるので施工もラクだし、コストも低い。

 

しかし、はじめて一人暮らしをする学生とちがって、すでに何度か賃貸住宅に住んだ経験のあるサラリーマンの単身者層は、トイレと浴室、洗面所が一体になったユニットバスの使い勝手の悪さをよく知っている。

 

したがってこうした層をターゲットにするには、少なくともトイレと浴室は完全に別にするのが鉄則だ。さらにいえば浴槽には追い炊き機能があることも条件だ。浴槽に風呂釜がなく、給湯器からお湯が引いてあるだけのタイプは、結局シャワールームとしてしか使えないと敬遠される場合が少なくないのだ。

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町田 泰次

幻冬舎メディアコンサルティング

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