今回は、「姻族」「親等」の基礎知識を紹介します。※本連載は、法律の研究者・執筆者として活躍する尾崎哲夫氏の著書、『はじめての親族相続』(自由国民社)の中から一部を抜粋し、そもそも親族とは何なのか、「親族の範囲」「婚姻」などについて分かりやすく説明します。
姻族関係は婚姻によって発生し、離婚によって終わる
姻族というのは婚姻によって発生します。具体的に黒板に書いてみましょう。
姻族関係は婚姻によって発生し、離婚によって終了します(728条1項)。
夫婦の一方が死亡した場合、生き残った人は姻族関係を続けることも終了することもできます。私が死んだ場合、妻は私の両親と姻族関係を続けることも断ちきることもできるのです。
「親等の計算」は民法726条で規定
親族間の世代数を親等といいます(726条1項)。
私と母の妹(おば)との親等は次のように数えます。私から母、母から祖父母、祖父母から母の妹=3親等つまり、母から妹へ横へ行かず、母と妹の共通の始祖である祖父母に戻ってから妹に降りるのです。
<キーワード>
第726条[親等の計算]
親等は、親族間の世代数を数えて、これを定める。
第728条[離婚等による姻族関係の終了]
姻族関係は、離婚によって終了する。
法律の研究執筆者
1953年大阪生まれ。1976年早稲田大学法学部卒業。2000年早稲田大学大学院アジア太平洋研究科国際関係専攻修了。松下電送機器(株)勤務、関西外国語大学短期大学部教授、近畿大学教授を経て、現在、研究・執筆中。
主な著書に、「ビジネスマンの基礎英語」(日経文庫)「海外個人旅行のススメ」「海外個人旅行のヒケツ」(朝日新聞社)「大人のための英語勉強法」(PHP文庫)「私の英単語帳を公開します!」(幻冬舎)「法律用語がわかる辞典」「法律英語用語辞典」「条文ガイド六法 会社法」「法律英語入門」「アメリカの法律と歴史」「アメリカ市民の法律入門(翻訳)」「はじめての民法総則」「はじめての会社法」「はじめての知的財産法」「はじめての行政法」「はじめての労働法」「はじめての国際商取引法」(自由国民社)他多数。
尾崎哲夫ウェブサイト:http://www.ozaki.to
著者プロフィール詳細
連載記事一覧
連載そもそも親族って何? 相続を理解するための「親族の範囲」「婚姻」の基礎知識