今回は、「婚姻の効力」について説明します。※本連載は、法律の研究者・執筆者として活躍する尾崎哲夫氏の著書、『はじめての親族相続』(自由国民社)の中から一部を抜粋し、そもそも親族とは何なのか、「親族の範囲」「婚姻」などについて分かりやすく説明します。

婚姻の「効力」は主に5つ

婚姻の効力には次のようなものがあります。

 

 

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第752条[同居、協力及び扶助の義務]

夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。

 

第753条[婚姻による成年擬制]

未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。

 

第754条[夫婦間の契約の取消権]

夫婦間でした契約は、婚姻中、いつでも、夫婦の一方からこれを取り消すことができる。ただし、第三者の権利を害することはできない。

 

第750条[夫婦の氏]

夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。

「不倫」は法律上もやってはいけないこと!?

①の同居・協力・扶助義務というのは食事とベッドを共にし、円満な夫婦生活を送るという義務です。

 

②の貞操義務は浮気をしてはいけないということです。浮気は離婚原因になります。夫に愛人ができた場合、妻は愛人に対して不法行為による損害賠償請求ができます。

 

 

③で未成年者が成年に達したものとみなされても、お酒を飲めるわけではありませんし、タバコを吸えるわけでもありません。

 

 

④については、配偶者への溺愛や片方からの威圧によって贈与をした場合に契約を取り消せるとしたのが立法趣旨です。ただ、実際に適用が問題となるのは離婚一歩手前の泥沼のケースです。判例は、婚姻が実質的に破綻している場合には取り消せないとします。

はじめての親族相続

はじめての親族相続

尾崎 哲夫

自由国民社

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