前回は、不動産投資の収益を具体的に評価する指標として「イールドギャップ」を説明しました。今回は、投資用不動産購入のローンについて、基礎的な知識を解説します。

金利は「変動金利」「固定金利」に大別される

不動産を購入する際にローンを借りることを予定している場合には、収支計画にローンに関する事項も盛り込むことが必要になります。

 

まず、ローンを借りる際には、金利の種類と返済方法について決めなければなりません。

 

金利の種類としては大きく分けて変動金利と固定金利の2種類があります。その名称が示すように細かい説明を省けば変動金利は金利が変わり、固定金利は金利が固定されたまま変わりません。

 

変動金利の形でローンを組んだ場合、通常、年に2回(一般的には4月と10月)、その時点の短期プライムレートを基準にして金利の見直しが行われます。短期プライムレートとは金融機関が企業向けに短期の融資をする場合に設定する金利です。現状は景気が上向いているのにも関わらず超低金利で推移していますが、傾向としては、景気が上向くと金利が上がり、景気が下向くと金利が下がるということができるでしょう。

 

一方、固定金利には、金利を全期間固定にするタイプと、5年、10年など一定期間のみを固定にするタイプがあります。後者のタイプは固定期間が終われば、通常、変動金利にシフトすることになります。

 

当初の利率を比べると固定金利よりも変動金利のほうが低いので、金利が大きくプラスの方向に変動しない限りは、変動金利を選択するほうが支払う利息の額を押さえることができるでしょう。

 

他方で、金利が想定していた以上に上昇した場合は利払いの負担を重たく感じることになるかもしれません。

 

そのリスクを避けたいのであれば、固定金利を選ぶほうがベターといえるでしょう。ただし、早期完済を目指す投資家は低い金利で借り入れてどんどん繰り上げ返済していくスタンスのため、変動金利を選択するケースが多く見られます。

返済は「元金均等返済方式」「元利均等返済方式」の2つ

また、ローンの返済方法には①元金均等返済方式と②元利均等返済方式の2つがあります。

 

①元金均等返済方式とは、元金と利息を合わせた毎月の返済額のうち、元金の額が一定なタイプです。元利均等返済方式に比べると、元金の減少が早まるので、返済が進むにつれて毎月の返済額は少なくなっていきます。また、②元利均等返済方式よりも、総支払利息や総支払額が少なくなるというメリットもあります。他方で、当初の返済額は高くなります。

 

②元利均等返済方式とは、毎月支払う返済額が一定のタイプです。支払う額が一定であるため、返済計画が立てやすいことや、当初の返済額を少なくできるというメリットがあります。ただし、一般的に①元金均等返済方式よりも総返済額は多くなります。

 

私の顧客では、収支計画を立てやすい、元利均等払い変動金利を選択されるケースが多く見られます。

 

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本連載は、2017年12月25日刊行の書籍『不動産投資の「勝ち方」が1時間でわかる本』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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吉村 拓

幻冬舎メディアコンサルティング

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