今回は、金利上昇の局面でも、銀行交渉を強気で行うべき理由を見ていきます。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

市中銀行の新規融資の平均金利も、上向き傾向が鮮明に

百貨店やスーパーの初売りが好調と、
景気回復のニュースが出ております。
確かに、最近の世間の動きを見ていると、
デフレが続いていたときとはちょっと違う、
という実感があります。
「ヒト不足」を除いて、
蔓延していた閉塞感がなくなってきています。

 

日銀が公表している、
市中銀行による新規融資の平均金利にも、
上向き傾向が鮮明になってきました。
現在、2017年10月末までのデータが公開されています。
このような感じです。

 

[図表]

 

 

赤色の折れ線は長期、青色の折れ線は短期です。
5月と10月とでは、短期・長期とも、
上昇傾向です。とりわけ、短期の動きが鮮明です。

金利は上昇傾向でも、銀行を取り巻く環境は「最悪」

東京の銀行間取引金利であるTIBOR(タイボ)も、
昨年9月以降、ジワジワ上昇しています。
昨年12月は、上昇を続けていた1ケ月タイボに動きはありませんでした。
が、1週間タイボや6ケ月タイボは、上昇しています。
1週間タイボが12月27日、
0.014%→0.015%に上昇、
6ケ月タイボが12月18日に、
0.088%→0.108%に上昇、となっています。
まるで助走のごとく、緩やかな動きですが、
あちらこちらで金利上昇へ向けての動きが鮮明になってきました。

 

しかし、
銀行交渉の腕が試されるのは、まさにこれからです。
金利が上昇傾向とはいえ、銀行を取り巻く環境は最悪なのです。
そこをわかっておかないと、
「金利も上昇傾向にありますから。」
と、銀行員から最近のグラフやデータを見せられ、
「そうですよねぇ。」と、交渉の手を緩めてしまうのです。
金利は上昇傾向でも、自社に有利な条件を獲得してほしいのです。
それでこそ、強い交渉力です。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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