今回は、ランキング上位の強気な銀行が「金利交渉」に応じた理由を見ていきます。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

社長から銀行担当者に「反撃の狼煙」を・・・

沢井商店(仮)は小売業を営んでいますが、
商売は厳しく、借入金は年商以上に上っています。

 

前回のブログのとおり、
社長からJY銀行の担当者に
反撃の狼煙をあげるように伝えました。

 

社長は、「わかりました。」とは言ったものの、
どこか力強さに欠ける返事で、それが気になっていました。

 

それから数日後、携帯の電話がなりました。
「社長、どうされたんですか?」
「いやぁ、これからJY銀行が来るんだけど、
前に言われたように言って、本当に大丈夫かなぁ?」

 

やっぱり予想は的中しました。

 

「絶対、大丈夫ですよ!
強気に出て、おたくからの借入は返します!と力強く言ってください。

社長が自信なさそうにしていたら、
銀行もそれを見透かしてきますよ!!」

銀行の本音は「金利を下げてでも貸したい」

それから数日後、沢井社長から電話がありました。

 

「社長、その後の状況、いかがですか?」

 

「はい、あの後言われた通りに言いました。
その場では、特に雰囲気が荒れることなく帰っていきました。

ところが翌日、びっくりしました!
JY銀行の役員が、当社を訪ねてきたのです。」

 

「で、結果は??」

 

「はい、結局1.65%だった金利を
0.9%に下げてもらうことができました。

いやぁ、まいったまいった!
正直不安でしたが、いい勉強になりました~」

 

「そのときは、『自分の給料が下がるから金利が下げられない』
といった若手行員もいたんですよね?」

 

「はい、ずっと下を向いたままで、何も話さなかったですね~。」

 

JY銀行は関東地方に本店を構え、
週刊誌の銀行ランキングでも良いほうに位置し、
財務体質も強固、なかなか手ごわい銀行なのです。

 

しかし、そんなJY銀行も、やはり貸し先がないのです。

 

「うちは、金利は下げません」と言っている銀行だって、
やっぱり、本音は金利を下げてでも貸したいのです。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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