一代で11の医療・介護施設の開業に成功した医師の軌跡から、事業拡大における極意を見ていく本連載。今回は、その第20回です。

これまでの経験を生かし、さらに次の目標へ

多くの経営者の自伝などを読んでいると分かりますが、どの成功者も絶対に諦めずに挑んでいき、経営を継続させることに必死に取り組んでいます。

 

もちろん世間には、大小関係なく頑張って努力し、一定の成功を収めた人たちはたくさんいます。これはトヨタのような世界的な企業だけでなく、町の蕎麦屋さんでも同じことです。繁盛の規模が違うだけです。

 

ただ、道を突き進んである程度の成功を収めた時点で、その先に二つの分かれ道があると考えています。一つは、このまま事業をキープしてそこで一定の利益を上げる道です。もう一つの道は、せっかくここまで来たのだからさらに上を目指していこう、という道です。どちらも間違っていません。前者でも事業を継続させ、家族を養えることが十分可能なら、それはそれで正しい道です。

 

しかし、幸か不幸か、私は後者のタイプです。開業までたどり着いたんだ。だから、この経験を生かしてさらに次の目標に向かって進んでいこう。目の前にもう一段ステップがあるなら、上ってみたくなるのです。そうしているうちに普通の人がなかなか来れないところまで来ても、さらに上はあります。だったらその上を目指す。ほんの1センチでも上があるなら、その上に立ってみたい。そうすればまた見える風景が違ってくるはずです。そんなことを考えながら生きてきました。たくさんの縁と運にも恵まれてきたと思います。

 

たとえ大学に残って勤務医で終わっても、それは一つの生き方でしたし、生活もできていたのだから困らなかったのですが、開業という目標を持ってしまった以上は、それを目指さなければならないという使命感に駆られました。

諦めずに考え行動すれば、扉は絶対に開く

そして東葉クリニックはスタートしました。開業という目標を達成したら、今度はそこが新しいスタートラインとなり、さらに次の目標に向かってステップアップしなければなりません。

 

さらに、今の私の下には、大勢のスタッフがおり、それぞれに養うべき家族があります。自分の人生と家族の生活をかけて私のところに集まってくれたのだから、もはや投げ出すことなどできません。たくさんの患者さんの命も預かっています。

 

開業するためのポイントの一つは、諦めずに必死になって考え、行動すること。そこでほんのちょっとでも前に進むことができれば、目標に近づいたことになります。そうすれば、開かない扉も絶対に開くのです。

ドクター・プレジデント

ドクター・プレジデント

田畑 陽一郎

幻冬舎メディアコンサルティング

医療者である開業医が突き当たる「経営」の壁。 経営者としてはまったくの“素人”からスタートした著者は、透析治療を事業の柱に据えて、卓越した経営センスで法人を成長させていく。 徹底的なマーケティング、2年目で多院展…

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