一代で11の医療・介護施設の開業に成功した医師の軌跡から、事業拡大における極意を見ていく本連載。今回は、その第28回です。

あらゆる経営関係の書籍、経営者の自伝を読み漁る

前回の続きです。経営をしっかり勉強してこなかったため、自らあるコンサルティング会社の経営セミナーに通いました。そこはトイレ掃除から始まり、下積み経験を含めて経営者とはどういうものかをしっかり身につける教育機関でした。でも、それがあってこそ、今の自分も一から経営を学ぶことができたのだと思います。

 

さらに、当たり前のことですが、「孫子の兵法」などから始まり、「論語」や松下幸之助氏の著書、稲盛和夫氏の著書など経営の基本となる書籍や経営者の自伝はできるだけ読むようにしています。新しい経営感覚を知っておこうと、若い経営者が書いた経営論なども読みます。

 

最近読んだのはアルフレッド・アドラーの「アドラー心理学」や「嫌われる勇気」、株式会社ニトリの創業者、似鳥昭雄氏の経営哲学をまとめた書籍や「孫正義300年王国への野望」です。

 

こうした本を読んで感銘を受けた言葉、勉強になった言葉は、手帳に書き出して暗記し、頭の中に刷り込んでいます。もっとも医療法人とは分野が違いますから、必ずしも一致するわけではありませんが、「経営」という視点でみれば、共通項はたくさん見えてきます。

蓄積した考え方やノウハウを積極的に事業に取り入れ

こうして蓄積した考え方やノウハウで自分の事業に応用できるようなものは、どんどん取り入れていますし、朝礼や幹部社員が大勢集まる集会などでも、できるだけそのエキスとなる部分を伝え、職員全員で考え方を共有していこうと心がけています。

 

こうして経営を黒字にしていくことに成功しました。ただ、事業が介護の分野にまで拡大した現在は全体でプラスになればいい、というぐらいの感覚で臨んでいます。

 

職員が幸せに暮らせるような経営をしなければ、大切な患者さんたちに幸せを与えられない。そのために「精一杯」努力する。「Begin. Continue」。若かった自分に染み込んだ教えが、経営者となった今の自分を支えてくれています。

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