今回は、株式投資で「潔い損切り」が重要となる理由を見ていきます。※本連載は、株式ジャーナリストとして活躍する天海源一郎氏の著書、『こんな時代にたっぷり稼げる株の見つけ方』を一部抜粋し、個人投資家が株式投資で成功する思考法と売買スタイルを紹介します。

1銘柄への長期間集中投資が「見込み違い」だったら…

すべての売買で勝つのは難しいです。

 

その意味でも、1つの銘柄への長期間にわたる一極集中投資は見込み違いだったらアウトとなり、お金だけでなく時間も失うことになる極めて危ういものと言えます。何よりも随分な時間が経たってから「ダメだったな」と自らが認識することになるので、私には我慢がならないです。

 

少なくとも、私はそのようなスタイルの投資を行っていません。

 

折々でそれなりに動いている、動きが出始めている銘柄でなければ即座に利益にはつながらないので、そういった銘柄に的を絞っていることは確かです。

 

けれど、「この銘柄は賑わっているな」と思って数銘柄を買っていくと、やはり個々の値動きには少なからず違いが出てきます。

 

その一方で、相場全体が勢いづいているという局面は案外限られているものです。

 

たとえば、2014年は随分と日経平均株価が上昇したイメージが強いようですが、改めて振り返り、特に強く上昇する動きをしていた期間だけを取り出してカウントしていくと、トータルで約3カ月~4カ月程度です。

 

2013年も然りで、株価の上昇が顕著だったのは年初から春までと秋から年末にかけてが中心でした。

 

これは非常に重要なことです。株価が上昇している局面において、目立った値上がりをする時というのは、そう長いわけではないということになります。もし、タイミングが悪く、一旦上昇しきった局面で買ってしまったとしたら、その時には、つらい時期を過ごすことになってしまうのです。

 

いずれにせよ、読み違うことは避けられないわけですから、思った通りに動かなかった銘柄は、一旦手離すか、潔く損切りすることが重要になってきます。

「いずれ上がる」と持ち続けても、報われる保証はない

もっとも、こう反論する人がいるかもしれません。

 

「中身がいい銘柄をきちんと吟味して長く持ち続けておけば、目先は下がったとしても、いずれ報われる日がきっと訪れるはず!」

 

確かに、そのようなパターンもあるでしょうし、タイミングが上手く合えば、好結果がもたらされるでしょう。

 

しかし、タイミングが合わなかった場合、いつまで経っても報われないことがあります。もしかすると「この先5年で一番高いところを掴んだ可能性」だってあるのです・・・。考えたくもないですが、その可能性もあります。

 

そもそも、そのタイミングを決めるのは株式市場であって、1人の個人投資家が完璧に読み通すのは不可能だと私は思います。言い換えれば、私たちは確実性がない状況下で投資に励んでいるわけです。

 

だからこそ、ダメだった銘柄をいかに早く切るのかが重要になってくると私は思うのです。

こんな時代に たっぷり稼げる株の見つけ方

こんな時代に たっぷり稼げる株の見つけ方

天海 源一郎

幻冬舎

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