相場の下げとして挙げられる「一段安」と「反転安」
2015年の初夏から秋にかけては、まさしく不測の事態が頻発しました。そういった場合、「一呼吸置く」という行動が極めて重要になってきます。
相場の下げは、大きく2つに分類できるでしょう。
それは、「一段安」と「反転安」のいずれかです。
下げてきた相場が横ばいに転じたものの、再び下げが顕著になるというのが前者。後者のほうは、株価の上昇が途絶えて反落するというパターンです。
それぞれを図に示すと、図表のような感じになります。
[図表]
ここで私が訴えたいのは、どちらのケースにおいても、多くの投資家は点線で示したような株価の動きを期待しがちだということです。
そのうえで、実際に点線のような動きがうかがえる前から、非常に拙速な行動を取ってしまうわけです。
きっとそれは「できるだけ早く安く買いたい」という欲に駆られての行為なのでしょう。
私自身、いまだにそういった失敗を犯してしまいます。上手くいくケースもありますが、「あ〜あ、やってしまった!」と後悔するケースも少なくありません。
そして、つくづくこう思うのです。
「あと1〜2日、様子を見ておけばよかったのに・・・」
そう、それが冒頭で述べた「一呼吸置く」という行為です。
不測の事態から1〜2日経てば、次の動きの端緒も見える
株式投資には、売りと買いだけではなく、「見送る」という選択肢も必要です。
この3つ目の選択肢を使いこなせれば、投資のスキルがワンランク上のレベルになってくることでしょう。
不測の事態から1〜2日経てば、次の動きの端緒が見え始めるものです。「反転安」に陥らず上昇した場合も、単にほんの少しの利益を取りっぱぐれるだけにすぎず、損を被るわけではありません。
もちろん、現実にそういった状況に直面すると、無意識のうちに買いを入れてしまったり、逆に売りたくてたまらなくなったりするのが人情でしょう。
しかし、その気持ちを抑えて1〜2日見送れば、視界は開けてくるものです。
時間が経てば経つほど、不測の事態を引き起こした原因に対する全投資家の評価が定まってきます。
ただし、完全に方向感が定まってから動くのでは、タイミングとして遅すぎるでしょう。だから、端緒が見え始めた段階で私は動くようにしています。
こういった話も、私自身もかつて読んだ株式投資の指南書ではあまり見かけたことがありません。
実際に自分が株式投資を長く続けて、ようやくわかってきたことです。
ボヤボヤしていると乗り遅れてしまう反面、ヘタにフライングしてもケガをしかねないのが株式投資ということなのでしょう。