前回は、不動産業者に賃貸の仲介を依頼する際に問題となる、「3つの契約形態」を取り上げました。今回からは、オーナーによる空室対策として、「空き部屋のモデルルーム化」を見ていきます。

管理会社の家賃値下げ交渉に応じる前に、自ら行動を

空室期間が長引いているにもかかわらず、何の提案もしてこない管理会社は、オーナーにとって論外とも言うべき管理会社です。だからといって、安易に「家賃を下げて募集しましょう」という提案をしてくる管理会社も考えものです。両者の違いは「無能な怠け者」と「無能な働き者」程度でしかありません。

 

管理会社は賃貸経営におけるパートナーですが、すべてを頼り切っていいものではありません。時にはオーナーが自主性を持って行動することが求められる場面があり、それが空室対策です。

 

たとえ管理会社から家賃の値下げ提案があっても、オーナーにとって家賃の値下げは、空室対策の最終手段と考えてください。オーナーにできることはまだまだたくさんあります。

具体的な入居者を想定した部屋作りで内覧者の心を掴む

私が知っているオーナーは、空室対策として「空き部屋のモデルルーム化」に取り組んでいます。モデルルームといっても、新築分譲マンションのモデルルームのように、デザイナーズ家具や大型の家具を搬入するといった、大掛かりなものである必要はありません。

 

それこそ家具店で手に入る安価なラグマットやクッション、食器やイミテーションの観葉植物を飾る程度です。

 

その際にはレースカーテンだけでもよいのでカーテンを設置しましょう。畳の部屋であれば、畳の日焼けを防げますし、カーテンをつけることで部屋のイメージは大きく変わります。予算にして数万円程度のものですが、何もしていない殺風景な空き部屋と比べて、部屋の第一印象はかなり華やぎますし、何より内覧者がこの部屋で生活する様子をイメージしやすくなります。

 

オーナーに話を聞くと、かなり具体的に入居者像をイメージしていて、「近隣の工場に勤める20代の夫婦」といった具合に細かくターゲットを絞っています。

 

これは、マーケティング用語でいう「ペルソナ」を詳細に設定しているということです。入居者像を具体的にイメージすることで、ありふれた何の変哲もない部屋が、誰かに響く部屋に生まれ変わるのです。

 

モデルルーム化された部屋の例
モデルルーム化された部屋の例

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