購入した会社の管理部門にバックアップさせれば安心
では、信頼できる管理会社をどうやって見つければよいのでしょうか。
まずは物件を購入した不動産会社に相談するのが手っ取り早いです。一番理想的なケースは、物件を購入した会社に管理部門がある場合です。物件を精査するにあたって、そのエリアの業者から情報収集を行っていますし、過去に同じエリアの物件を取り扱っている場合もあります。
いずれにしても、購入した会社の管理部門に任せることができれば、「売りっぱなし」ではなく、「しっかり満室経営にするためにバックアップする」という、投資家からしても安心できる要素があります。
管理部門がない場合には、自分自身で管理業者を選定する必要がありますが、その場合も購入した不動産会社に相談するのがよいでしょう。地元の有力な業者とつながっている可能性があります。
また、物件の特性に応じて、管理会社の得意分野を見極めて管理を任せる方法もおすすめです。
管理会社選びで特に重視すべき点を挙げると、物件管理に関わる部分と、客付けに関わる部分です。この2点をしっかり実行できる管理会社が、付き合うべき管理会社です。
例えば、それなりに築年数の経っている建物を所有していて、老朽化が目立ってきた。今後、大きなリフォームをする必要がありそうだ──といった場合に、リフォーム提案を得意とする管理会社に管理を任せるといった具合です。
管理会社のなかには自前でリフォーム部門を持っているところもあるので、そういった会社とめぐり逢えたら、中古物件オーナーにとって頼りになる存在となります。
あるいは、単身者向けの物件で入退去のサイクルが短く頻繁に起こる、ということであれば、客付けを得意としている管理会社を選ぶのが無難となります。
オーナーにとって重要なのは、管理会社の「客付け力」
そして、賃貸経営にとって最大の敵は空室です。
空室は機会損失であり、空室期間中の家賃を後から取り戻すことはできません。もし、空室が1室、2室と増えて、空室期間が長引けば、安定した家賃収入は絵に描いた餅となります。
空室損を最小限に食い止めるには、客付け能力の高い管理会社こそが、オーナーが選ぶべきパートナーの筆頭に挙げられます。
このほか、入居者の属性が高くないため、滞納リスクが高いのであれば、督促や滞納回収のノウハウがある管理会社をパートナーにするのも手です。後述する「家賃保証会社」と組み合わせれば二重の備えとなります。
世の中に完璧な物件というのは存在しませんから、物件が持つ弱みを、管理会社が持つ強みで補えるようなパートナー選びを意識してください。この管理会社選び──物件を運用するためのパートナー選び──も、物件を買うためのパートナーと同じくらい、重要なのです。