利益を残すには、売上を上げるか経費を下げるしかない
私のところに相談にいらっしゃる教室の先生の悩みベスト2は、集客と収益です。
集客についてはゼロからスタートをしてもプラスになるだけです。ところが収益改善の話は、うまくいってゼロスタートです。場合よっては、赤字から黒字転換を目指さなくてはいけないケースも多々あります。
なぜ教室経営は赤字になりやすいのでしょうか。理由は二つあります。
一つは業界体質、もう一つは先生のお金に対するマインドが大きな要因です。まず、収益改善するうえで押さえておきたい二つの数字があります。それは「売上」と「経費」です。本当はもっと細かい数字もありますが、ざっくりいうとこの二つです。
売上から経費を引くと利益になります。利益を残すには、売上を上げるか、経費を下げるかのどちらかです。
料理教室なら「付加価値」「コンセプト」が重要に
経費については、特に原価の部分についてはあまり下げられない業界事情があります。これも料理教室業界全般の特徴ですが、原価率がとても高いのです。場合によっては材料費率が70パーセントという教室もザラにあります。1人4000円の受講料で2800円という場合もあります。
これを正当な価格にしたい場合のネックになるのが、「業界体質」と「先生のマインド」です。
自宅料理教室は、「趣味」でやっている先生と「仕事」でやっている先生が混在します。趣味の先生が原価70パーセントレベルで受講料を決めた場合、生徒さんが比較するときにどうしてもお得感があるのは否めません。そのため、近隣周辺の教室の値段を見て価格を決めると、どうしても安価になりやすいのです。
だからこそ、料理教室関係は、価格だけではない付加価値(技術向上以外のメリットや先生の魅力)やコンセプトがどうしても重要になってくるのです。そこがクリアできないといつまでも赤字体質から脱出できません。心してかかる課題の一つです。