前回は、シックハウス症候群を防ぐための「換気性能」の重要性について紹介しました。今回は、病気を防ぐため「水回りの換気」が良い物件を選ぶべき理由を説明します。

水回りの換気が悪いと「カビ」発生の原因に

前回の続きです。

 

また、換気性能が不充分だと、住宅の中に不要な水分が入り込んだり、結露によってカビが発生することがあります。

 

カビは、住宅の機能を損なったり、見た目に美しくないという点だけでなく、健康にも大きな影響を及ぼします。

 

家の中の湿度が高くなりすぎるとカビが発生し、カビを餌とするダニが繁殖してしまいます。住宅の気密性が高いことで室内と室外の空気の循環が行われていないと、発生したカビの胞子やダニが家中を浮遊している状態になります。

 

このように、カビ自体もアレルギー症状を引き起こす原因になりますので、適度な湿度(=50%前後)を保つことはとても重要です。高温多湿な夏には除湿を心がけ、乾燥しがちな冬には加湿に気を配ることによって、快適に暮らせると思います。インフルエンザウイルスが活性化するのは、湿度40%以下といわれていますから、乾燥しすぎも要注意です。

 

また、カビの発生を抑制するためには、キッチンやトイレ、浴室、洗面所といった水回りの換気をよくするようにしてください。洗面器やタオル、布類などは、濡れたままで置くことでカビの温床になりますから、太陽光に当てたり、熱湯をかけたりして、殺菌することも効果的です。

 

こうして居室内に入り込んでくる化学物質を排除するには、換気によって対策を講じるのが一番です。

 

十分に換気できるかどうかは、間取りや窓の位置・大きさ、構造、工法、あるいは周辺環境や設備によって変わりますので、購入前にしっかりとチェックしておきましょう。

 

住宅性能評価で化学物質の濃度や建材、換気対策について評価してもらうこともできるので、利用することもひとつの選択肢です。

化学物質の対策に「植物」の活用も

化学物質の対策として付け加えておきたいのは植物の活用です。植物は、有害物質や細菌を二酸化炭素と一緒に吸収し、空気を清浄化する働きを持っています。中には、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドやベンゼン、トリクロロエチレンをある程度まで除去し、室内の濃度を低くする能力がある観葉植物もあります。

 

ホルムアルデヒドにはポトス、サンセベリア、ポットマム、ガーベラ、ベンゼンにはポットマム、ガーベラ、ヘデラ・ヘリックス、トリクロロエチレンにはポットマム、ガーベラが効果があるという研究結果も出ているようです。

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    本連載は、2015年6月25日刊行の書籍『こんな建売住宅は買うな』から抜粋したものです。その後の法律・条例改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    こんな建売住宅は買うな

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    田中 勲

    幻冬舎メディアコンサルティング

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