前回は、電磁波が人体に及ぼす影響を紹介しました。今回は、家の中で「電磁波が強い場所・弱い場所」はどこかを説明します。

電線から距離が離れるほど「電磁波」は弱くなる

ポイント②家の中の電磁波が強い場所・弱い場所を把握する

 

日本の基準では安全な範囲内であっても、海外の基準に照らすと電磁波が高すぎると判断される場所は、日本の住環境の中に多くあります。その際、私からお客様にお伝えできることは、「健康リスクがある説」と「それを否定する意見」の双方があるということ。意見を求められれば話しますが、最終的な判断は各自でしていただきます。

 

特に、欧米では病院や小学校を建てる場所の電磁波の基準は、厳しく設定されています。それを考えると、小さいお子さんのいる方なら、影響が心配になって当然だと思います。

 

電磁波による影響を考えるのであれば、建売住宅を選ぶ際に周辺環境をチェックします。すぐ近くに電波塔がないか、家の間近に電線が走っていないかなどは、建物の周囲を見渡してみればすぐにわかるはずです。そのうえで、実際に建物内の電磁波を測定してみてください。

 

また、部屋の配置や向きによって電磁波の測定値に差があることは重要なチェックポイントです。たとえば3階建ての住宅なら、電線との距離が近い3階は測定値が高くなりますが、1階は電線からの距離が離れる分、それほど高くならないということもあります。

 

立地や間取り、価格などの条件を満たした物件で、電磁波のリスクが多少あったとしても買いたいということであれば、子どもが寝たり長時間過ごす部屋を、なるべく電磁波の測定値の低い位置にできるかどうか考慮したほうがよいでしょう。

「アース」を利用して余分な電気を逃がす方法も

住み始めた後の話になりますが、日常的な電磁波の影響を受けにくくする方法としては、アースを利用して余分な電気を逃がす、電磁波を発生する器具から距離をとるといった方法があります。

 

冷蔵庫や洗濯機、エアコンなどの大型家電についているアースは、電場を抑制する働きがあります。アース付きコンセントも市販されていますので、利用するのもひとつの手です。

 

また、電磁波を測定してみるとわかるのですが、測定器を電化製品に近づけるとアラーム音が鳴り響いていたのが、30センチメートル離れるだけでも、目に見えて数値が低くなります。

 

電子レンジの使用時には離れる、お子さんには近づかないようにさせるといった日常的な工夫をすることで、利便性と電磁波の影響を低く抑えていくことが両立できるのではないでしょうか。

本連載は、2015年6月25日刊行の書籍『こんな建売住宅は買うな』から抜粋したものです。その後の法律・条例改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

こんな建売住宅は買うな

こんな建売住宅は買うな

田中 勲

幻冬舎メディアコンサルティング

注文住宅と比べて安く購入できる建売住宅は、特に地価の高い都心近郊で人気がありますが、実は流通している住宅の大部分が目に見えない欠陥・不具合を抱えているのが実情です。 実際に、断熱材のズレ・不足や、準防火地域にお…

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