前回は、病気を防ぐため「水回りの換気」が良い物件を選ぶべき理由を説明しました。今回は、住宅選びの際に「放射線量」を測るべき理由と、健康への影響はどの程度あるのかを見ていきましょう。

自然界に存在するものを浴びる分には問題ない

放射線はもともと、自然界に存在しているものです。私たちは日常的な生活を送っている中で、ごく微量ですが放射線を浴び続けていることが知られています。

 

大地や建物から放出されるもの、降り注ぐ宇宙起源のものによって外部被ばくしていますし、空気や飲食物に含まれるものを体内に取り込むことで内部被ばくもしています。放射線はさまざまな場所に存在しているのです。

 

自然放射線を浴びている量に関しては、全世界平均では年間2.4ミリシーベルトとなっており、日本の平均値は2.1ミリシーベルト(2011年推定値)となっているようです(※地質学会調査より)。

 

また、検査に使われるレントゲンやCTスキャンなどでも、放射線を浴びる機会はあります。

 

●レントゲンで浴びる1回当たりの放射線→0.01~1ミリシーベルト

 

●CTスキャンの場合→0.5~30ミリシーベルト

※レントゲン技師は、安全な作業環境であることが前提ですが、年間被ばく量として50ミリシーベルトまでが許容されています。

 

つまり、一定量の被ばくならば、健康被害にはならないということです。問題となるのは、短期間に大量の放射線を浴びてしまうこと。これによって、重大な健康被害につながることは皆さんがご存じの通りです。しかし、日常的な生活場面においては、それほど心配する必要はないのではないかと考えています。

住宅選びでは「コンクリートの中のセシウム」に注意

ただ、東日本大震災以後、放射線量を気にされる方も多いので、今では必ず測定しています。放射線を測定するガイガーカウンターが1万円程度で市販されていますので、気になる人は測定してみてもいいでしょう。

 

住宅選びという点からいえば、コンクリートの中に含まれる材料にセシウムが入っていた場合、高い放射線量となります。日常的な被ばく量として多すぎる場合は、建物内部の調査が必要になりますので、住宅選びの際はそちらにも着目しましょう。

本連載は、2015年6月25日刊行の書籍『こんな建売住宅は買うな』から抜粋したものです。その後の法律・条例改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

こんな建売住宅は買うな

こんな建売住宅は買うな

田中 勲

幻冬舎メディアコンサルティング

注文住宅と比べて安く購入できる建売住宅は、特に地価の高い都心近郊で人気がありますが、実は流通している住宅の大部分が目に見えない欠陥・不具合を抱えているのが実情です。 実際に、断熱材のズレ・不足や、準防火地域にお…

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