お客様の声に耳を傾け「手を差し伸べる」やり方
前回の続きです。
もう一つの強みは、「地域との密着」です。たとえば私の会社は「地元の工務店」という立ち位置で、地域の方々の住宅に関する悩みやリフォームに対応してきました。
「草刈りをやってほしい」「水道から水がポタポタ漏れているんだけど、見てくれない?」「ドアが開きづらい。丸ごと交換じゃ高くつくから、修繕で何とかならないかしら」など、毎日の生活での不便や不満はたくさんあります。かといって、家を建てたときのハウスメーカーに相談しても細かいリフォームは相手にしてくれなかったり、名のあるところに頼むと高かったりして、なかなか踏み出せません。つい「もうちょっと我慢するか」と先延ばしにして、不便や不満を感じながらも暮らしているというケースが意外に多いのです。
そういうお客様の声に耳を傾け、手を差し伸べるやり方は、小さな地元の工務店だからこそできることです。言葉だけキレイごとを並べるよりも、お客様のために「やってあげる」行動こそが、まず大切だと思います。
スーパーでも同じです。大手は「たくさん作って安く売る」ことが得意で、全国どこに行っても同じ商品が安く手に入ります。その安心感や便利さは顧客にとって大事なことです。
その一方で、地元のスーパーは手作りの惣菜で「おふくろの味」を提供したり、少量でも販売する、生産者の顔が見えるサービスをするなど、大手スーパーではやりづらい様々なサービスで地域の人たちを満足させています。
こんなふうに、地元密着だからこそできる、地元の人々のための仕事を売りにしていけば、大手と競合することなく、顧客やリピーターを獲得していけます。やり方次第で、小さな会社でも十分に生き残っていける余地があるのです。
売れる商品・サービスの展開で、営業マンもやる気に
消費者が求めていないものを無理に売ろうとしても門前払いの連続で、営業マンは心が折れてしまいます。仮に消費者が欲しいものがあったとしても、話を聞いていただけるまでの最低限の信用を築けなければ、売れるものも売れません。
営業マンをやる気にさせるポイントは、「お客様が欲しいと思える(売れる)商品・サービス」を会社が用意することと、その商品を売り込む機会をつくってあげることだとの思いから、これらを会社の仕組みとしてつくってきました。